サガン鳥栖はFC東京とのアウェーゲームに勝ち切った。前半に2ゴールを挙げ、相手の反撃を1点に抑えて勝ち点3を獲得した。後半、相手に押し込まれる難しいゲームをモノにできた要因の一つに、最後尾で集中してゴールを守った朴一圭の存在がある。守護神は、勝利の意味を噛みしめるともに、さらなる向上を誓った。

上写真=集中した守りで勝利に貢献したGK朴一圭(写真◎J.LEAGUE)

■2021年4月24日 明治安田生命J1リーグ第11節(@味の素/観衆4,914人)
FC東京 1-2 鳥栖
得点:(F)森重真人
   (鳥)酒井宣福、樋口雄太

チームの助けになる仕事しなければいけなかった

 サガン鳥栖の守護神はFC東京とのアウェーゲームに勝利を飾っても、チームの課題に目を向けた。試合の感想を求められると、後半、相手に押し込まれることになったことにフォーカスし、問題点に言及した。

「2点取るまでは自分たちのストロングポイントを出しながらサッカーができていました。ただ後半すぐに失点してしまって、ちょっと受け身になり、その後は相手のリズムでずっとサッカーしなければならなかった。そこでもう一つ盛り返して、自分たちで3点目、4点目を取るという作業ができればよかったんですけど。自分たちで良い入りをしながらも最後は悪い締め方になってしまった。試合運びやマネジメントの仕方に課題が残るゲームだったと思います」

 敵地で勝ち点3を手にしただけでは満足しない。課題を把握し、それを一つ一つ克服するべく積み重ねた結果、今の好調がある。チむろん、チームについてだけではない。自身にプレーについて振り返る言葉も厳しいものだ。

「全然ダメでした。ビルドアップ、キック、もうちょっとチームの助けになるような仕事をしなければいけなかった。相手のプレッシャーが強くなったときに自分もトラップミスだったり、キックミスがあった」

 一つのミスにも妥協しないのが朴一圭だ。これまでもそうだった。JFL、地域リーグ、J3、そしてJ1にたどり着き、横浜F・マリノス時代にはリーグ制覇も経験したGKの最大の武器は、広い守備範囲やキック精度の高さではなく、その飽くなき向上心かもしれない。

 後半、相手に押し込まれる中でチームの気持ちが受け身になってしまった点も朴一圭は指摘した。「相手にプレッシャーをかけていくことが選手同士で整理できていれば、そういうゲーム展開にはならなかった」。自らの発信力と、即座に状況に応じてプレーできるチームの修正力をより高めていきたいと話す。

「今後はこういう相手が増えてくると思うし、そこに対応していけるようにいい準備をしていきたい」

 チームに厳しく、自分にも厳しい。尽きることのない向上心を持つGKが、最後尾から鳥栖の好調を支えている。