2021年4月24日、明治安田生命J1リーグ第11節が開催された。味の素スタジアムでは、FC東京とサガン鳥栖が対戦。前半に鳥栖が持ち味を出し、2点のリード。後半はFC東京がメンバーと陣形変更で盛り返したが、反撃は1点に留まりに終わり、鳥栖が敵地で勝ち点3を手にした。

上写真=先制ゴールを挙げた鳥栖の酒井宣福が歓喜の抱擁!(写真◎J.LEAGUE)

■2021年4月24日 明治安田生命J1リーグ第11節(@味の素/観衆4,914人)
FC東京 1-2 鳥栖
得点:(F)森重真人
   (鳥)酒井宣福、樋口雄太

・FC東京:GK波多野豪、DF岡崎慎(46分:内田宅哉)、渡辺剛(46分:青木拓矢)、ジョアン・オマリ、小川諒也、MF森重真人、安部柊斗、東慶悟(71分:三田啓貴)、FW永井謙佑、ディエゴ・オリヴェイラ(79分:田川亨介)、アダイウトン(71分:レアンドロ)

・鳥栖メンバー:GK朴一圭、DF飯野七聖、ファン・ソッコ、エドゥアルド、中野伸哉、MF樋口雄太(90+3分:大畑歩夢)、松岡大起、仙頭啓矢、小屋松知哉(54分:中野嘉大)、FW林大地(83分:田代雅也)、酒井宣福(46分:山下敬大)

中盤で狙い通りに奪い、動かした鳥栖

 FC東京の入りは悪くなかった。プレスで鳥栖のビルドアップを妨げ、ボールを奪えば素早い切り替えで攻撃に転じていく。ボールをつなぎ、相手ゴールに迫った。だが、鳥栖は慌てない。相手を見ながら的確なポジショニングを取り、次第に流れをつかんでいった。

 10分を過ぎたあたりから中盤の攻防に差が出始める。鳥栖はFC東京のアンカー、森重の脇を巧みに突いていった。ボランチの仙頭と松岡、右の樋口、2トップの林と酒井も機を見て下がってビルドアップに参加。パスワーク中でワンタッチパスを挟んでFC東京の守りの狙いも外す。好リズムを生むと、鳥栖が先制に成功した。

 18分、敵陣で松岡がボールを奪い返し、右サイドでパス交換。フリーになった樋口のクロスに相手右サイドバック小川とCB渡辺の間を割って走り込んだ酒井が飛び込み、頭で豪快にネットを揺らした。

 さらに、である。34分にも鳥栖がゴールを挙げる。またも敵陣でのボール奪取からだった。林がプレスバックして森重の足もとにあったボールをつつくと、フォローした仙頭が右後方にいた松岡へパス。松岡は前方の樋口にダイレクトでつなぎ、鳥栖のナンバー10は短いドリブルでボールを運んでボックスの外からミドルシュートを突き刺した。

 FC東京にしてみれば奪われ方が悪く、守備の準備を整える時間がなかった。鳥栖にしてみれば、目論見通りのショートカウンターだった。ボールの奪い場所も、その後のプレー選択も的確。前半は、鳥栖が優勢のまま終わった。

後半は一転、盛り返したFC東京

 迎えた後半、FC東京は渡辺に代えて青木、岡崎に代えて内田を投入して、フォーメーションも4-3-3から4-4-2に変更する。アンカーだった森重がオマリとCBペアを組み、中盤中央では青木と安部がドイスボランチを形成。右に東、左にアダイウトン、前線はD・オリヴェイラと永井が2トップを組んだ。

 後半開始から圧力をかけたFC東京は、相手の裏を突く回数を増やし、52分にはD・オリヴェイラが左に流れて裏を狙いCKを得た。そしてこの機にゴールを奪い切る。小川が左足で入れたアウトスイングのボールを森重がヘッドで叩き、1点返すことに成功した。

 前半の流れを断ち切り、勢いをつかむと、FC東京はその後もゴールを目指して前向きのプレーを続けていく。メンバーを代えながら同点ゴールを狙った。だが、鳥栖もむやみに前からプレスかけず、メリハリを利かせた守りで時計の針を進める。自陣深く下がってD・オリヴェイラのシュートを体を投げ出して防ぐなど献身的なプレーを見せていたFW林に代えてCB田代を投入して3バックに編成。最後は逃げ切りを図った。残り10分を切り、攻めるFC東京、守る鳥栖の構図がいっそう強くなったが、結局、スコアは動かずに試合終了の笛が鳴った。鳥栖が前半のリードを守り切ることになった。

「前節(名古屋戦)同様に相手に強烈な個がいるのに対して、ただハイプレスで背後を空けてしまうのは嫌だったのでそこは考えてポジショニングを修正しました。前半は思い通りゲームプランを遂行できて、後半は押し込まれましたけど選手たちがしっかり戦ってくれました。前半は特にスカウティング通りで空いてくるところを認知できていたので、そこを有効的に使えたときは確実に押し込めた」

 金明輝監督が振り返ったように、鳥栖は試合を通じてプランを遂行してみせた。一方のFC東京は前がかりに戦えたのは後半45分間のみ。その差が結果に表れた。「アウェーでFC東京に勝つことがどんなに難しいのか僕自身がよく知っている」と話した金監督。鳥栖は価値ある勝ち点3を、アウェーの地で手に入れた。

取材◎佐藤 景 写真◎J.LEAGUE