上写真＝同点ゴールを記録した森島司（写真◎J.LEAGUE）
■2021年4月18日 明治安田生命J1リーグ第10節（＠等々力陸/観衆9,720人）
川崎F 1-1 広島
得点:（川）家長昭博
（広）森島司
どんな形でも得点を増やしたい
森島にとっては、今季初ゴールだった。前半、王者川崎Fに圧倒されて迎えた後半。開始から攻撃的な姿勢を打ち出す中で、チームは徐々にリズムをつかみつつあった。それでもゴールがなかなか奪えない時間帯に、価値あるゴールを決めた。
65分。広島は自陣でボールを奪うと、GK大迫敬介までいったんボールを下げた。守護神は迷わずボールを前線左サイドで構えるジュニオール・サントスに送った。今季加入の大型FWは、ボールの軌道を見極めつつ巧みにマークに付くジェジエウと入れ替わるとボールを収めてドリブルを開始。左サイドからボックス内に進入し、ゴールの正面を通り過ぎるあたりで右足を振った。ボールは左ポストを叩き跳ね返る。そこに誰よりも早く反応したのが、森島だった。
「サントスがけっこう早いタイミングでゴール前までいったんですけど、結構、（ボールを）持ってくれたんで間に合いました」
自陣で守備に力を注いでいるところから、好機になると感じて前線までスプリントした。その迷いのない判断と選択が、ゴールにつながった。左足でゴール方向へボールを蹴り込むと、戻ってきた川崎Fの田中碧に当たり、ゴールイン。それは広島の選手たちの気持ちを前向きにさせる同点弾だった。
「時間が経つにつれてスペースが空いてきたので、前半0-0でその（＝後半の）展開に持っていけたらよかったんですけど、0-1の状態でもチームでまず1点を取りに行こうというのがありました。カウンターから取れたのはよかったかなと思います」
チームが前向きの姿勢をとる中で、森島もゴールを目指した。
「今シーズンは取れていなかったですし、相手は川崎だったので、1点とか2点の戦いになると思っていました。追いつく点を取れたのは良かったです。（これまで）得点を取れていなかったのもありますが、そこまで（＝得点できる場所まで）入っていけていなかった。今日もそこまで入っていけたわけではないですが、ワンチャンスをモノにできたのはよかった。また次に、どんな形でも得点を増やしたいと思います」
開幕から8戦負けなしだったチームは2連敗して、この試合に臨んでいた。川崎F戦も1点をリードされる苦しい展開となったが、諦めずに戦い、ドローに持ち込んだ。
「チームとして我慢できたのはよかったですが、直近の2試合で僕たちは2敗していてここでも1分けなので、きょうは本当に苦しい戦いでほぼ向こうのゲームだったと思う。逆転できればよかった」
むろん、引き分けで満足はしてない。ただ、昨季等々力で対戦した際には1-5で完敗した。その事実を踏まえれば、敵地で追いついてドローを演じたことはポジティブにとらえられる。森島は言った。
「去年、おととしは連敗も多かった。ここでしっかり食い止めていい流れに持っていけるように。次につながる試合にできたのかなと思います」
自らのゴールで勝ち点1を手繰り寄せた紫のナンバー10は、ここから再び浮上していくと誓った。