2021年4月17日、明治安田生命J1リーグ第10節が開催された。ニッパツ三ツ沢球技場では横浜FCとベガルタ仙台が対戦。ともに今季初勝利を目指して臨んだ試合は、一時は横浜FCが2点をリードしたものの、仙台が終盤に攻勢に出て追いつき、2-2で決着。勝ち点1を分け合うことになった。

上写真=横浜FC対仙台は互いの意地がぶつかり合う、最後までスリリングな試合となった(写真◎J.LEAGUE)

■2021年4月17日 明治安田生命J1リーグ第10節(@ニッパツ/観衆2,997人)
横浜FC 2-2 仙台
得点:(横)袴田裕太郎、齋藤功佑
   (仙)西村拓真、吉野恭平

・横浜FCメンバー:GK南雄太、DF前嶋洋太、伊野波雅彦、田代真一、袴田裕太郎、MF松尾佑介(61分:安永玲央)、齋藤功佑(71分:杉本竜士)、瀬古樹、小川慶治朗、FWジャーメイン良(61分:クレーベ)、渡邉千真(90+3分:伊藤翔)

・仙台メンバー:GKヤクブ・スウォビィク、DF真瀬拓海、吉野恭平、平岡康裕、石原崇兆(57分:エマヌエル・オッティ)、MF加藤千尋(57分:マルティノス)、上原力也(90+1分:アピアタウィア久)、松下佳貴、氣田亮真(46分:蜂須賀孝治)、FW西村拓真、赤崎秀平(79分:皆川佑介)

一番下で競い合っている者同士の意地(手倉森監督)

 ともに初勝利を目指して臨んだ20位横浜FCと19位仙台の対戦は、勝利への意欲をぶつけ合う激しい戦いとなった。

 序盤から積極的な姿勢を見せた横浜FCは17分、目論見通りに先制点を記録する。右CKを得ると瀬古が蹴ったボールを伊野波がニアサイドでフリック。ファーサイドに飛び込んだ袴田が左足を合わせて豪快にネットを揺らしてみせた。

 仙台も相手のパスミスをカットしてゴールに迫るなどチャンスがなかったわけではないが、自分たちのリズムをつかむ前に得点されたことで前半はやや受ける形になってしまった。だが、後半早々にオッティとマルティノスを投入して攻撃の圧力を増す。西村やマルティノスが立て続けにゴールチャンスを手にして、相手を押し込んだ。

 だが、横浜FCも粘り強い守備を見せ、ゴールは割らせない。すると68分に左サイド深くボールを持ちこんだ小川のクロスに齋藤が頭から飛び込み、追加点をスコア。仙台の勢いをそぐように、リードを広げることとなった。

 攻勢に出ながらも得点できず、突き放されるという仙台にとっては嫌な流れだったが、雨中の決戦はここから急展開を見せる。仙台の諦めない姿勢が、劇的な展開を導いたのだ。82分、左CKの場面で上原が入れたインスイングのボールに、西村がドンピシャのタイミングでヘッド。まずは1点を返す。さらに90+1分。再び左CKを得ると、マルティノスが入れたアウトスイングのボールを西村が左足でシュート。一度はGK南に弾かれるが、跳ね返りを吉野が押し込み、土壇場で追いついた。仙台の手倉森誠監督は「最後の最後までああやってゴールに向かえば、何か起こせるんだってことを今日のゲームでもやれた」と話した価値ある同点だった。

 試合は結局2-2で決着。ともに全力で初勝利を目指した試合は、勝ち点1を分け合うこととなった。

「2点ビハインドになってから、うちもセットプレーではあるけども、2点をきっちり返した。前回の勝ち点1と今回のアウェーでの1とをポジティブに受け止めて、もう少し詰めれば3を取れるんだという意識をチームにすり込んで、次の試合に向かって行きたいと思います」

 最後に追いついた仙台の手倉森監督は、このように試合を振り返った。そして「ただ、この展開を招いたのは自分たち。今日のゲームのようなことをして勝ち点1で良かったと思うようじゃだめと(選手に)話しました。やっぱり悔しいんだ、もったいないんだと思わないと。もう少しゲーム運びを賢くやらないといけない」と、このゲームを意味あるものにすべく、選手に働きかけ、次の一戦へと目を向けた。

 対する横浜FCの早川知伸監督は「最後の最後で追いつかれる形になって本当に悔しい、残念なゲームになりました。リードで進んでいる中ではあったものの、後半から押し込まれる時間が長くなってしまったところが一番の問題であったと感じています」とゲーム運びを反省。ただし、「メンタル面の回復に関しては非常に手ごたえを感じています。結果的に引き分けになってしまったものの、そこまでのところや試合に臨む準備は非常に良かった。それはゲームでも出せていたと思います」とポジティブな要素があったことも強調した。

 等しく手にした勝ち点1の価値は、もう少しシーズンが進んだときにはっきりするのだろう。手倉森監督は「一番下で競い合っている者同士が意地を見せ合った展開だったと思います。ここから(仙台と横浜FCが)這いがっていくことで、激しい順位争いのJリーグにできれば」と、激闘を終えて語っている。