4月14日、鹿島アントラーズの相馬直樹新監督が練習後のオンライン取材に応じた。前節の北海道コンサドーレ札幌戦では2点差を追いつかれドロー。浮上のきっかけをつかめず、クラブはザーゴ前監督との契約を解除。コーチだった相馬氏が監督としてチームの復調を託された。

上写真=4月14日、鹿島アントラーズの監督就任初日のトレーニングを行なう相馬直樹監督(写真◎KASHIMA ANTLERS)

「もう一度、チャレンジャーとして」

 下位に低迷する鹿島が監督交代に踏み切った。チームは前節を終え、2勝2分け4敗で勝ち点は「8」しか獲得できておらず、15位に位置する現状。前々節はホームで柏に勝利したものの、前節の札幌戦では前半に2点を先取しながらもリードを守り切れず引き分け、勝ち点1しか上積みできなかった。なかなか復調の兆しを見せられず、第10節徳島戦を3日後に控えた4月14日、鹿島は「今シーズンの成績を総合的に判断」した上でのザーゴ監督との契約解除と、相馬直樹コーチの新監督就任を発表した。

 14日、鹿島の指揮官になったばかりの相馬新監督が練習後のオンライン取材に応じ、心境を語った。「こういった状況の中で(コーチから)監督に昇格という形ですが、この状況になったことは、コーチだった私としても非常に責任を感じています」と第一声を放ち、現時点での成績やチーム状況について言及した。「ただ、やはり止まってはいられないので、もう一度、強いアントラーズを取り戻す。非常に重い責任ですが、この鹿島という自分が大事に思っているクラブを前に進めるために、力になれればと思っています」と決意を述べた。

 チームの立て直しを託された相馬監督は、会見の中で“ジーコスピリット”と呼ばれる3つの言葉を強調した。「“献身・誠実・尊重”というジーコスピリットの3つの言葉があります。(鹿島は)“常勝”と言っていただいていますけれど、今年の成績もそうですが、常に勝てるわけではありません。良い選手、良いスタッフが集まっているとは思いますが、みんなで謙虚に、足もとをしっかり見てやっていく。もともとはJリーグのチームができるとは思われなかった場所にできたチームです。もう一度“チャレンジャー”として、一番後ろから上がっていく。これまでにいろいろな人たちがつくってきた実績だとか、そういうものにふんぞり返ることなく、もう一度足もとを見ながら」と、謙虚に、チャレンジャーとして、これからの戦いに臨んでいく構えを示した。

 その中で、復調のためにはサポーターの後押しの必要性も訴える。かつて、鹿島の選手としても戦ってきた相馬監督だからこそ、“12番目の選手”たちの重要性を熟知しているのだろう。

「これまでもそうですが、アントラーズは苦しくなっても乗り越えてきました。それはサポーターも一体となって、みんなで一緒になってやってきたことです。今回も、クラブハウスにいる人たちだけでやることでは決してなくて、スタジアムに来てくれる人たちだけでもなくて、こういう状況だからこそ、やっぱり鹿島のファミリー、その皆さんにまた一緒に戦ってもらい、サポートしてもらいたい。それに応えられるように精いっぱい、やれることをやりたいと思っています」

 そして、週末の17日には徳島戦を控える。チーム内では選手2人とトップチームスタッフ1人が新型コロナウイルスの陽性判定を受け、万全の状態で相馬体制の初陣に臨むことはできないが、それでも新たな指揮官は言葉に力を込める。

「なかなか準備できる状況ではありませんので、今やれること、まず見つめなければいけない課題にフォーカスしなければいけません。コロナもそうですけれど、監督交代が起きた中で、そのエネルギーをピッチで戦うという一つの方向に向かわせる。戦う準備を、ファイトする準備をしっかりしなければいけないと思っています」

 ここまで味わってきた悔しさや無念の思いを相馬監督の下で勝利へのエネルギーに変え、深紅の戦士たちは上昇していくために再出発する。