2・3月度の月間MVPを受賞し、3月には日本代表デビューを果たした。はた目には乗りに乗っているように映るが、名古屋グランパスのボランチ、稲垣祥はこれまでと変わらず、地に足をつけて前に進んでいる。サンフレッチェ広島戦を前にオンライン取材に応じた。

上写真=名古屋グランパスのボランチ、稲垣祥(写真◎J.LEAGUE)

欲しいのは記録よりも勝ち点3

 名古屋は前節の大分戦で8試合連続無失点のリーグ新記録を樹立した。堅守は好調なチームのベースとなっているが、同試合で今季初めてベンチスタートとなった稲垣は、好調の理由について「自分たちがやろうとしていることを出せているのと、何度も言っていますが去年からの積み重ねに、今季来てくれた選手のプラスアルファが分かりやすく出ている結果」と説明する。

 既存戦力と新戦力がうまく融合し、勝ち点を重ねてきたチームにあって、中心として存在感を示してきたのが稲垣である。2・3月度のJ1月間MVPに選ばれるなど、その活躍は目を見張るものがあった。3月には日本代表デビューも飾り、まさしく日本屈指のボランチと言える存在となった。

 とはいえ、本人に気負いはない。「注目を感じることもありますけど、いつも通りやっています」と自分のペースを貫く。稲垣にとっての「いつも通り」とは、チームの勝利のために自分の役割を全うすることだろう。無失点記録については、「仮に2-1でもそれで勝てるならオッケー」と、無失点は目指すべき目標ではあるものの、最少失点で勝ち点3を得られるなら問題ないと話す。欲しいのは、勝利。個人の名誉でも注目でも、もちろん記録でもない。

 次節の相手は広島。稲垣にとって古巣となる。「広島は今年もいろいろなチャレンジをしながら多くの選手が試合に絡んで、自分たちらしく、みんなが流動的に動いてサッカーをしている。間違いなく手ごわい相手」と気を引き締めた。その上で「間違いなくアグレッシブに前からプレッシャーをかけてくると思うので、そのスタイルに対して僕たちがどんなサッカーができるか。どういった準備をできるかが大事」と話し、「やり合う部分もあるが、自分たちにはそれだけではなく、相手に合わせた戦い方もある。柔軟に賢くやっていきたい」と自信も口にした。

 前節は65分から出場で、「出場時間が少し減ったことによって間違いなく心身ともに回復できるところがあると思う。また違った面でもチームを見る機会になったので、そういったところも良かった」と、ここまでフル稼働してきた稲垣にとって、重要な『休養』ともなった。多少なりとも疲労を軽減できたのは大きい。

 注目の広島戦は明日14日、豊田スタジアムで19時半にキックオフされる。コンディションを整え、ピッチで勇躍する稲垣の姿が見られるに違いない。