今季初の3連勝を飾った浦和レッズ。2試合連続で無失点に抑えたGK西川周作の貢献度は、計り知れない。11日の徳島戦でも好セーブ連発していた。34歳のベテランGKは、パフォーマンスの向上に余念がない。その意欲の源とは何か。

上写真=2試合連続のクリーンシートに貢献した西川周作(写真◎J.LEAGUE)

セーブひとつで勝ち点0が1になり、3になる

 前半から再三ピンチを迎えた。味方のミスから思わぬ形で危機が訪れたものの、守護神は冷静だった。

「試合の入りの段階で、きょうは難しいなと感じていました。徳島もうちと同じやり方ですし。こちらからチャレンジしたときのミスには気をつけていました。ある程度は想定内だったので守れたと思います」

 西川は相手に余裕があれほどあるほど、慌てないことを心がけている。どっしりと構えて先に動かないのだ。30分過ぎに徳島の宮代大聖と1対1になった場面もそうだった。落ち着いて最後まで相手の動きを見て、シュートをストップ。常に心理的な駆け引きをしながら守っている。この日も味方のミスをカバーし、要所を抑えたセーブで流れを完全に相手に引き渡さなかった。

「これがゴールキーパーとしてのやりがいです。セービングひとつで勝ち点0が1になり、3になる。これからもこのようなセーブを続けていきたいと思います」

 今年3月には3年4カ月ぶりにA代表に復帰。出場機会はなかったが、多くの刺激を受けたという。代表で得たものを浦和に還元し、パフォーマンスの向上につなげているのだ。

「代表では手応えを感じました。やっぱり、この場所はサッカー選手として目指すべきところだとあらためて思いました。ただ選ばれただけで満足していません。クラブで結果を残し続けることが森保一監督へのアピールになると思っています」

 6月で35歳を迎えるものの、一向に成長意欲が衰えることはない。プロキャリアは17年目。J1通算は499試合に出場。次節で節目の500試合に到達するが、まだまだ通過点。かねてから口にしている目標は、尊敬するGK楢崎正剛(引退)の631試合(歴代2位)を超えること。円熟期は、これからだ。

取材◎杉園昌之