7試合連続で無失点を実現している名古屋グランパスのCB丸山祐市が大分トリニータ戦(11日/第9節)を前に取材に応じた。この試合にはJ1の連続無失点記録の更新がかかるが、記録の達成とともに3試合ぶりの勝利をつかみたいと意気込みを語った。

上写真=堅守の中心として今季も存在感を示している丸山祐市(写真◎J.LEAGUE)

中から外、外から中のボール回し

 現在、第2節から7試合連続で無失点を続けている。次節の大分トリニータ戦でクリンシートを実現すれば、14年に浦和レッズが樹立した記録を抜き、記録更新となる。そんな堅守の中心を担う、丸山祐市が大分戦を前に取材に応じた。

「チームの戦術としてまず守備からやることが重要だと思います。この前に関してはリスクを負って得点を狙いに行けばいいとも思ったけれど、ゼロで終えることは重要だと思いますし、10対11という1人少ない状況から1点を狙うのことは珍しくはないと思う。その点でリスクを冒せなかったというのはありますが、今後も起こり得る展開だと思います。良い勉強になったと言ったら失礼になるかもしれないですが、あの教訓をしっかり次に生かしていきたい」

 守備に軸足を置くスタイルに自信を持ち、結果も出している。その反面、前々節のFC東京戦、前節の湘南戦とスコアレスドローに終わった。とくに湘南戦は1人多い数的優位な状況となりながらも攻め手を欠いた。相手が割り切って守ったことも影響したが、守備が安定している一方で、攻撃は修正が必要だろう。勝ち切る戦い方を求めたいと丸山は言った。

「プロである以上、結果として毎試合勝つことが求められているのは承知しています。ただ、ここ2戦で勝ち切れなかったというのは悲観することではありません。もちろん勝ち点3が取れなかったことも仕方ないとは言えないし、課題も出た。次の試合へ、その課題にしっかり取り組めればいいと思います」

「守備がゼロで抑えられているのは、全員で守った結果。攻撃で点が取れていない現状を前の選手にだけ(責任を)求めるのはおかしいし、チーム全体として攻め方や得点パターンについて(考えるべき)。僕は一番後ろから状況が見えている。攻撃の組み立て方やボールを出す場所についても。湘南戦では相手が一人少ない中で、なかなかチャンスがなく、単調な攻撃ばかりになってしまった。相手の守りやすい方向へ僕たち後ろの選手たちでビルドアップしてしまった反省があります」

 課題を踏まえ、大分戦で狙うのは一も二もなく勝ち点3だ。そのためには、ボールの動かし方が一つのカギになりそうだ。

「(大分の)攻撃はつかまらないポジションだったり、良いポジションをとって、食いついてくればそのスペースを狙う、食いついてこなかったらその選手が前を向くというものだと思う。いやらしさはあります。こちらの攻撃は、5バック気味の相手に対して、単調にサイドを狙うのではなく、中を使って、中を固められたら外に行くというようなボール回しができたらと思います」

 攻略のポイントは状況に応じた中と外の使い分け。ビルドアップの起点としても、そのあたりを頭に入れつつ、ボールを供給したいと丸山は語った。

「毎試合ゼロに抑えることを全員でやっています。僕自身はディフェンスとしてゼロに抑えることを毎試合考えていて、次の試合もゼロに抑えて新たな記録を達成できたらうれしいですが、チームも引き分け、引き分けと来ているので、しっかり勝って、(宮原)和也と僕の子どもに向けた、ゆりかごダンスをできるように。大分戦は頑張っていけたらと思っています」

 ゴールを奪って勝利に引き寄せ、歓喜のパフォーマンスを披露する。目標達成となるかーー。