サンフレッチェ広島戦でのプロ初ゴールが決勝点となり、今季2勝目に貢献した湘南ベルマーレMF田中聡。プレー内容を反省しつつ、今季初勝利の試合には欠場していただけに、『プロ初勝利』を喜んでいる。

上写真=プロ初ゴールを決めた田中が、広島まで駆けつけたファン・サポーターの前で記念撮影(写真◎J.LEAGUE)

■2021年4月10日 J1リーグ第9節(@Eスタ:観衆7,085人)
広島 0-1 湘南
 (広)なし
 (湘)田中聡

「内容はあまり良くなかった」

 立ち上がりからボールを支配される時間が長く続き、苦しい展開を強いられていた湘南に、U-18から昇格1年目のルーキーが先制点をもたらした。56分、敵陣で相手のクリアを拾った田中が、FW町野修斗に預けてエリア内の左サイドにダッシュ。広島MF青山敏弘を振り切り、左足でゴール右に流し込んだ。

 1-0の勝利に導く決勝ゴールを「マチくん(町野)に渡したら、自分が走っているのを見てくれていて、これ以上ないボールを出してくれた。あまり覚えていないですが、決めるだけでした」と振り返る。昨季は2種登録選手としてリーグ戦17試合、ルヴァンカップ2試合に出場するも無得点。今季もリーグ戦7試合、ルヴァンカップ1試合で無得点だったが、うれしいプロ初ゴールとなった。
 
 ただ、手放しで喜んだわけではない。「欲を言えば、自分のプレーも良くて、チームの勝利に貢献したかった。今日は得点だけというか、内容はあまり良くなかった」と自己評価は厳しく、「もう少し試合を落ち着かせられる選手にならなければいけない。今日の課題の一つだと思います」と表情を引き締めた。ゴールについても「何もできなかったぶん、何かしようという気持ちがあった。それが得点につながり、少しはチームの力になれたのかなと思う」と控えめに語っている。
 
 とはいえ、チームが今季初勝利を挙げたJ1第4節のベガルタ仙台戦はメンバーに入っていなかっただけに「正直、この試合がプロ初勝利。すごくうれしいです」と喜びのコメント。「その得点が取れたのは、ラッキーというか、この上ない結果」と満足げに語った。
 
現地取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE