名古屋グランパスは開幕6連勝のあと、2試合連続スコアレスドロー。これをどう見るか。マッシモ・フィッカデンティ監督はそこになんの悩みも抱えていないと語る。だから、何も変えずに突き進むと宣言するのだった。

上写真=FC東京戦、湘南ベルマーレ戦と連続で0-0だったが、フィッカデンティ監督は不安視していない(写真◎J.LEAGUE)

「まったくもって悩んでいない」

 開幕6連勝のスタートダッシュに加え、連続無失点試合は7。負けないグランパスを築いた功績により、Jリーグからマッシモ・フィッカデンティ監督に2・3月の月間最優秀監督賞が贈られた。

 ここ2試合は連続スコアレスドロー。そろそろ、堅守に上乗せする攻撃力をもっと見せてほしい、と感じるのが人情だ。その点については、フィッカデンティ監督は「まったくもって悩んでいない」と胸を張る。

「2019年最後の試合であれだけのブーイングをいただいて、でもチームがそういうものを求められている、得られないのなら満足してくれない、結果を出せと尻を叩いてくれるファミリーに囲まれて支えられている、ということで、本当にありがたいことです。その思いを常に支えにして結果を出しながら次に向けて取り組んでいますので、何も変えないで突き進むだけだと思います」

 FC東京と湘南ベルマーレとの0-0のゲームは、前者はともに攻めあった中でどちらも自慢の堅守が効いたゲームで、後者は相手が10人になったことでより守備に重きを置いたという流れがあった。

「去年、いい結果が出て誇りに思うべきことですし、喜びを分かち合える結果を出せたと思います。でも、満足している選手は名古屋に一人もいません。すべてがいい方向に行くものではないので、改善してトライして違うやり方をして、という取り組みを結果を出しながらできていました。そのあと引き分けが続いていますが、何かを言われているからといって変わってしまうような安っぽい思いでやっているわけではないんです」

「カタイ」

 6勝2分の2位で、失点はたったの1。首位の川崎フロンターレとは1試合消化が少ない状況で勝ち点5差しかない。

 AFCチャンピオンズリーグの日程変更に伴って、ゴールデンウイークにはその川崎Fとの連戦が実現する。このままいけば、いわゆる6ポイントマッチの連戦になるから、まさしく「12ポイントマッチ」。そこで逆転するチャンスもある。

 この先を見据えた上で、フィッカデンティ監督が口にしたのが日本語で「カタイ」だった。

「もう一度勝てるチームにするには、あらゆる意味で堅いチームにしなければいけません。皆さんに評価していただいてる『堅い』というのは『ディフェンスが』という言葉がつくと思います。でも、ディフェンスだけではなくて何をやらせても本当に手強い、手堅い、しぶとい、どんなスキもないというチーム、が目指しているところです」

 その激情を、まずは次の大分トリニータ戦にぶつけていくつもりだ。