前節の横浜FC戦では先制される苦しい展開も90分に追いつき、辛くも引き分けたが、リーグ戦では失点が続き、勝ち切れない。U-24日本代表の活動を経てチームに戻った古賀太陽は危機感を募らせ、警鐘を鳴らした。

上写真=チームの浮上のために力を注ぐと誓う古賀太陽(写真◎KASHIWA REYSOL)

寄せるだけでオッケーではない

 柏は現在、17位。今季は全20チームのうち4チームがJ2に降格するレギュレーションだ。成績が示す通り、開幕からここまで苦しい戦いが続いている。前節の横浜FC戦も内容は悪くなかった。だが、セットプレーから失点し、追いかける展開になった。終了間際に1点をもぎ取りドローに持ち込んだが、悔しい引き分けになった。

「間違いなく勝たなければいけない試合でした。ああいうゲーム展開の中で、ああいう失点の仕方をしてしまうのは、勝ち点を積み重ねていく上では絶対にしてはいけない。いまだにリーグ戦ではゼロで抑えた試合はないので、とにかく失点しないことです」

 鹿島戦を前に行なわれたオンライン取材で古賀は言った。ここまでリーグ戦は7試合を終えて、無失点試合がない。ミスからの失点もあり、耐えきれない守備に問題をかかているのは明白だ。

「ああいう展開の中でもゼロで抑え続けるというところは、やっぱり全体としても意識しないといけない。今後のことを考えても、もったいない失点で勝ち点を取りこぼしていくことは避けなければ。ゲーム内容どうこうというよりも、もっと危機感を持ってやるべきだと思います」

 危機感が足りない。自戒を込めて、古賀は警鐘を鳴らした。

「後ろの選手だけの問題ではないですが、絶対に失点をしてはいけないタイミングでもっと声をかけなければいけないと思います。もう少しコミュニケーションを取るべきだし、人任せにしないというか、自分たちが責任を持ってやれれば、少しずつ良くなっていくと思う。次の試合もそうですけど、簡単に失点しないところはより意識してやるべきだと思っています」

 失点が止まらない要因の一つとしてコミュニケーション不足を挙げた。誰が相手ボールホルダーに寄せるのか。カバーするのか。マークに付くのか。それら一つ一つの確認を疎かにせず、しっかり共有する作業が大事だと強調した。

 確かに単純なミスや集中力の欠如からの失点は目立つ。大きく崩されたというよりも細部の詰めが甘く、失点につながったケースが多い印象だ。次戦の鹿島戦は「人任せにせず、責任を持って」プレーしたいと語った。

「これまで取りこぼした分を取り返さないといけない。前回の勝ち点1というのを、つなげなければいけないと思います。勝ち点3はマスト。色々課題はありますけど、とにかく結果にこだわるというところを、チーム全体でもっともっと意識してやりたい。鹿島もあまりいい状況ではないと思いますけど、そこは関係なく、自分たちがどれだけのパフォーマンスをして、どれだけ結果に対して向き合えるかが一番大事になる。とにかく勝ち点3を取って帰って来れるようにしたい」

 U-24日本代表の活動に参加し、大きな刺激も得た。アルゼンチンとの対戦では「プレースピードや強度は明らかに差があると感じた」という。「その差を知れた、自分の立ち位置を知れたというのは一番の収穫だった」と語る。そして「プレーパターンや自分の幅を広げていかないと。オリンピックまで時間がないですし、そこに絡んでいくには、改善できなければ難しい部分があると思う。今までもそこは課題としていましたけど、より前で絡んでいけるようにというのは今後も意識したい」と代表でサバイブしてくためにも日々の練習、試合に意欲的に取り組むと誓っている。それは、現在のチーム状況を好転させていくためでもあるだろう。

「寄せるだけでオッケーという感じがまだあります。この前のアルゼンチンで言うと、ボールを絶対に奪い取りに来ますし、つつきに来る。そこの差というのはすごく感じました。もちろん、相手ありきなので難しい部分もありますけど、自分がその基準を上げていけるようにしたい。練習中からやっていくことが一番だと思うので。僕だけじゃなくて全体の強度も高めていけるように自分が率先してやりたいと思います」

 自身の経験を還元したいと古賀は語った。ひいてはそれが柏の選手たちを刺激し、チームが浮上することにつながると考えるからだ。明日7日には鹿島とのアウェーゲームに臨む。6試合ぶりの勝利を目指す柏レイソルを、古賀が引っ張るーー。