名古屋グランパスの開幕7連勝ならず。4月3日の明治安田生命J1リーグでFC東京と0-0で引き分けたが、無失点試合は6連続と嘆くことはない。しかし、チームに漂う空気は「ピリピリ感」と吉田豊。勝ち点1をどうとらえているのか。

上写真=吉田豊はここまでの7試合にフルタイム出場中。大きな信頼を集める(写真◎J.LEAGUE)

「いい意味で当たり前」

 好調の名古屋グランパスが開幕6連勝のあと、4月3日のJ1第7節FC東京戦で0-0で引き分けて、連勝は止まった。負けたわけではないし、首位の川崎フロンターレをしっかり追走する2位キープだから、必要以上にネガティブにとらえる必要はない。

 それでも、チームに漂う雰囲気を「ピリピリ感」と表現したのが、吉田豊だ。

「2位や1位を目指すのなら、もっと去年以上に細かいところを突き詰めなければ取れないと思っています。序盤戦でいい結果を残しましたけど、さらに負けないように勝ちを続けるためには去年以上のことやらないとな、というピリピリ感、まだまだこれからだという雰囲気が出ていますね」

 昨季は川崎フロンターレ、ガンバ大阪に次ぐ2位。それを超える場所に立つために、今季は大型補強を敢行して戦力の厚みがぐんと増した。

「ほかの人から見たら、このメンバーで勝って当たり前、じゃないですけど、それだけメンバーがいるもんな、というイメージがあると思います。それは僕たちにもあって、やらなければいけないというか、序盤戦は結果も出ていますけど、いい意味で当たり前。まだまだ先もあるので、いいスタートを切れたのは評価すべき点ですけど、いかに続けていくかのピリピリ感は(マッシモ・フィッカデンティ)監督自身から出ているので、選手にもいい感じに流れてきます」

 そこで、FC東京戦の引き分けである。連勝を止められた事実をどの角度から見るか。その心持ちによって今後が大きく変わってくる。

「連勝できれば一番いいですけれど、ずっと連勝し続けると変な自信にもなっちゃうのかな、というのがあります。東京戦で引き分けに終わって連勝できなかったんだ、引き締まるよね、引き締めなきゃいけないよね、ということを、昨日もマル(丸山祐市)と話しました」

 だから、この勝ち点1がポジティブに浮き上がってくる。

「東京戦の引き分けはある意味、すごいよかったのかなと感じていますね」

 落とした勝ち点2は、いわば先行投資になるのだ。

「東京戦では、ゼロで抑えたね、でも勝っていないよね、よし、もう1回やろうよと、ずっと勝っているのとはまた違う雰囲気になれました。この先、今年が終わるまでには(その雰囲気は)なければいけないものなので、それが引き分けで、このタイミングで1回来てよかったのかなと感じています」

 次節は湘南ベルマーレ戦。新たな連勝をここから始める。