4月3日の浦和レッズ戦で、プロ初得点をマークした鹿島アントラーズの関川郁万。センターバックとしては、2失点を喫して負けたことを猛省した。高卒3年目の20歳は、一人で責任を背負い込んでいた。

上写真=関川郁万はプロ初得点と2失点負けで喜びと悔しさの両方を味わった(写真◎J.LEAGUE)

■2021年4月3日 明治安田生命J1リーグ第7節(@埼スタ/観衆9,975人)
浦和 2-1 鹿島
得点:(浦)明本考浩、槙野智章
   (鹿)関川郁万

「武藤選手のところで簡単にやらせすぎた」

 自在に動き回る相手の1トップをつかまえ切れず、自慢のハードマークが空転した。鹿島アントラーズのセンターバックに入った関川郁万は試合後、苦い顔を見せながらゆっくりと口を開いた。

「ボールの持ち方、そしてビルドアップも思うようにできなかった。(チームとして)ボールの奪われ方も悪かった。ボランチの背後でパスを受けられて、自分の前でボールに触られていた。そこで僕がボールを奪えていれば、チームはもっと楽に守れたはず。こんなに苦労もしなかった。ファウルでもいいから止めていれば……。僕が武藤雄樹選手のところで簡単にやらせすぎました」

 高卒3年目の20歳は責任を一人で背負い込んでいたが、攻撃では存在感を示した。1点を追う前半終了間際、FKの流れから相手ゴール前で浮き球に素早く反応。力強いジャンブヘッドで体をひねり、日本代表GK西川周作の頭上を抜いた。記念すべきプロ初得点。

 ただ、スコア以上の敗戦に、頭の中は悔しさでいっぱいだった。ゴールの余韻などにまったく浸ることなく、2失点した守備を猛省。すぐに頭を整理することができず、試合後のロッカールームでも、ザーゴ監督が話した言葉もあまり耳に入ってこなかったようだ。

 今季、初先発した5節のアビスパ福岡戦では37分で退場処分となり、この日は出場停止明けの試合。ザーゴ監督に再び先発に抜擢されたことを考えると、ショックの色を隠せないのも想像に難くない。

 ただ、チーム全体としてプレスが機能していなかったのも事実。前線からボールを追いかけるものの、後ろがうまく連動できず、すべてが後手に回っていた。4戦勝ちなしで泥沼の3連敗。復調の兆しはまだ見えてこない。昨季もシーズン序盤に足踏みし、後半に追い上げているが……。早く浮上のきっかけをつかみたい。

取材◎杉園昌之 写真◎J.LEAGUE