ユニフォームはあのときと違うけれど、日産スタジアムのピッチに立つことができた。プロキャリアの最初のクラブ、横浜F・マリノスの対戦相手として、湘南ベルマーレのFW町野修斗は特別な思いでプレーした。

上写真=日産スタジアムでプレーする姿を見せることができた。町野修斗が横浜に帰ってきた(写真◎J.LEAGUE)

■2021年4月3日 明治安田生命J1リーグ第7節(@日産ス/観衆:9,152人)
横浜FM 1-1 湘南
得点:(横)エウベル
   (湘)山田直輝

「大きな拍手で迎えていただいて、鳥肌が立ちました」

「日産スタジアムでプレーするのに4年かかったけれど、プレーして楽しかったのが一番の印象です」

 横浜F・マリノス1-1湘南ベルマーレ。試合は引き分けだったが、湘南のFW町野修斗にとっては特別な思いのこもったゲームになった。横浜FMでプロの第一歩を踏み出しながら試合に出られず、ギラヴァンツ北九州へ武者修行。2019年にJ3、20年にJ2で戦い、今季、湘南ベルマーレに移籍して、ついにJ1の舞台に上がった。

「J2にいたときは意識はしていなかったですけど、湘南に加入することが決まってからは、アウェーですけど日産スタジアムで対戦することが一番に頭に浮かんできました」

 そして、待っていたこの日を迎えた。

 大橋祐紀と2トップを組んで前線からの守備に、裏に抜けたりポストプレーにと攻撃に走り回った。待ち構える横浜FMのセンターバック、チアゴ・マルチンスも畠中槙之輔も、かつてはトレーニングでともに汗を流した「昨日の味方」。

「チアゴや畠中選手とは一緒にやっていましたけれど、レベルはやっぱりいままで対戦したセンターバックより高いと思わされました。でも、いい戦い方ができて通用する部分は見えました」

 しっかりと自信を携えて、この場所に帰ってきたのだ。

「チアゴに縦突破を仕掛けたかったけど、やっぱり速かった」と苦笑いしながらも、素直に相手の実力の高さを称えた。でも、「なるべくいい受け方を意識してポジション取りでカバーしようと思っていました」と成長した姿をぶつけてみせた。

 試合後には横浜FMのサポーターにもあいさつし、「意外と大きな拍手で迎えていただいて、鳥肌が立ちました」とサプライズも。だが、思い出を作りにきたわけではないから、この日のドローの意味をかみしめて、次を見据えた。

「貴重な勝ち点1を取れました。内容的に押し込まれる時間は多くあったけれど、前からいいボール奪取もできたしカウンターでいい面が結構多かったイメージです。いまは負けていませんし、次は勝ちきること意識して準備していきたい」

取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE