上写真＝小平グラウンドで湘南戦に向けてトレーニングする長谷川健太監督（写真提供◎FC東京）
もっと『行く』姿勢を出すべきだった
前節の大分戦は、それまでの試合とは異なり、立ち上がりからアグレッシブな姿勢を打ち出して先制に成功。チームが理想とするスタートを実現し、勝利をつかみかけた。しかし、その後が続かず、2点目が取れずに後半、相手に追いつかれることになった。試合の入り方に手応えを感じられた一方で、2点目を取れずに結局ドローに終わってしまったことは反省点。指揮官は、自戒を込めて、こう振り返った。
「先制できたというのは、リーグ戦では初めての展開でしたし、試合の入りというところは良かったと思います。前半は、非常にいい戦いができた。ですが、後半はもう1点取りに行かないといけないという状況の中で少し慎重になり過ぎた部分もありました。メンバー交代なんかでも、もっと『行く』という姿勢を出す交代をしなければいけなかったと私自身、反省しています」
リード守るべきか、2点目を取りにいくべきか。選手たちに迷いが生じたのかもしれない。長谷川監督は明確なメッセージを出せなかったことを悔やんだ。
「選手はそういう中でもしっかりとバランスを保ちながら勝ち切ろうと戦ってくれたと思いますが、それが、ともすると少しネガティブな、守って逃げ切るというような方に向いてしまったのかなと思います。前回の試合はいいスタートが切れたので、先制点、さらに追加点、ダメ押し点を取れるように、これからの試合はそういう方向に持っていけるようにしたいと思っています」
アグレッシブな姿勢で臨めているとき、チームは良い守備から良い攻撃につなげることができている。それは選手も実感しているところで、その時間を長くすることが喫緊の課題だ。リーグ戦はここまで1勝2分け1敗と五分の星。ゲーム内容を見ると、優勢な状況にありながらポイントを取りこぼした印象もある。そんな勝ち切れない状況を踏まえて指揮官は「（いまのチーム状態は）踊り場じゃないですか。このまま勝っていけば調子が上がると思いますし、ここで勝ち点を積み上げられないと難しい状況になっていきますし。非常に大事な時期じゃないかなと思っています」とチームの立ち位置について語った。
踊り場から上に行くのか。それとも下ってしまうのか。その意味でホームで迎える17日の湘南戦は重要なゲームになりそうだ。
「非常にアグレッシブな戦いをするという意味では似たチームだと思っています。今までの戦いも激しい点の取り合いだったり、1点差のゲームだったり、クロスゲームが多かった。次の試合も難しい試合になると思います。相手は移動もなく中3日の試合で、うちは移動があって中2日。日程の部分を考えても難しい試合になる。その中でもわれわれはアグレッシブさで負けないというところをホームでしっかりと見せて勝ち点3を目指していきたい」
黒星が先行するわけにはいかない。開幕から続くハードな7連戦の6戦目。FC東京は上だけを見て、試合に臨む。