一喜一憂する必要はないーー。明日17日の湘南ベルマーレ戦を前にオンライン取材に応じた東慶悟は、落ち着ていた。ここまでリーグ戦は1勝2分け1敗と「最高の滑り出し」とはならなかったが、キャプテンはポジティブな要素に言及し、「ここからが大事」と強調した。

上写真=小平グラウンドでトレーニングする東慶悟(写真提供◎FC東京)

入りの部分は良くなっている

 2節のセレッソ大阪で逆転勝ちし、長谷川健太監督いわく「チームの勢いが出る勝利」を手にしたあと、続くホームのヴィッセル神戸戦は2点差を追いついたものの、最後は突き放されて敗れた。直近のアウェーの大分トリニータ戦も、今季リーグ戦では初めて前半にゴールを決めて先制に成功したが、後半に追いつかれてしまう。ポイント1を手にしたというよりも、ポイント2を落とした印象は強い。

 ただ、過密日程を考慮され、大分戦はベンチ外として過ごした東キャプテンは「好調なスタートは言い難い」としながらも、「間違いなく、浦和、セレッソ、神戸ときて、大分戦では入りの部分は良くなっていると思います。それで前半に先制点を取れたこともそうですが、それを続けながら、追加点を取って。取れない場合は、最後1-0でも勝つという作業をしっかりやっていかないといけないと思います」とポジティブな言葉を口にした。

「最初から完璧なチームはないので何がいいのか、何が悪いのかを毎試合しっかり分析して、選手各々もそうですけど、チームとしてそこをクリアにして、ここから良くなっていきたい」

 まだ、4試合を終えたばかり。焦る必要も悲観する必要もないということだ。現在地をしっかり把握し、そこから歩み出せばいい。何をすべきかについては東自身が把握してるからだろうか。取材に応じる東の口ぶりは、どこまでも落ち着いていた。

「もっと厚みのある攻撃をしたい。そうすれば相手もどんどんプレッシャーがかかってくる。そういう試合にするには、もっともっと中盤の選手がボールに絡んだり、守備ではスイッチを入れたり、奪うところでしっかり奪うことが重要になってくる。そういうところを意識してやりたい」

「バイタルエリア付近で僕が持ってスルーパスを出す。そういうプレーを増やしたい。良い状況でパスを受けて良いパスを出すのが僕の良さ。でもリーグではまだそれが出せていないので、それをやるためにどうすればいいのか考えて、チームとしてもどうすべきなのかを考えながら、次の試合に臨みたい」

 次戦はホームで迎える湘南戦。前節、今季初勝利を挙げて勢いを得たチームだ。簡単な相手ではないが、FC東京も新加入の渡邊凌磨が初ゴールを挙げるなど、前節は好材料を得ている。東は「(渡邊凌磨の得点は)3トップの関係からだと思うので、それをもっともっと増やしたいし、それが僕の役割だと思う。3トップにしている意味というか、攻撃力を上げたいというのはチームとして掲げているところ。そういうシーンも増やしていきたい」と意気込んだ。

 ここまでホームで臨んだリーグ戦2試合は3点、2点といずれも複数得点を記録している。一方で2失点、3失点と守備では複数失点を記録してしまった。攻守のバランスを整える作業が、次節のカギになりそうだ。

「試合を見ていてもやっていても良いプレーは出ています。続けていくことが大事ですし、その中で微調整というか、監督も言っていましたがディテールにフォーカスして選手一人ひとりが意識高くやるのが大事だと思っています」

 開幕から続く7連戦(J1、ルヴァンカップ)は、明日の湘南戦で6戦目。ここまでJ1のみなら1勝2分け1敗だ(ルヴァン杯徳島戦は1-0の勝利)。きっちり勝ち越して終えるためにも、負けられない。