今季も三笘薫は絶好調である。3月13日の柏レイソル戦ではなかなかゴールが生まれない展開だったが、後半から登場すると80分には決勝点を生み出すドリブルを見せつけた。旗手怜央との左サイドの新コンビも魅力たっぷりだ。

上写真=柏戦でゴールを決めた家長昭博とハイタッチ。三笘薫には早くも風格すら漂う(写真◎Getty Images)

「彼の推進力を利用して待つように」

 今季も絶好調だ。川崎フロンターレの三笘薫は相変わらずの色気たっぷりなドリブルで、見る者の心を踊らせている。5試合で1得点2アシスト。「悪くはないと思っています」と涼しい顔だ。

 3月13日のJ1第4節柏レイソル戦では、またもやセクシーなアシストを決めてみせた。三笘本人も「あの突破に関してはパーフェクトでしたね」と自賛する80分のドリブルだ。

 相手ペナルティーエリア付近に攻め込んで、一度は止められたものの、すかさず塚川孝輝が回収すると、左にいた三笘の足元へ。対峙するのは柏の右サイドバック、高橋峻希。

「ボールを受けたときに縦にスペースがあったので、仕掛けるシチュエーションでした」

 高橋は中への進入を拒むように真横に立って、縦を空けるような体の向きで寄せてきた。

「そこに自信があるような対応をしてきましたけど、もちろん僕も初速は自信がありましたし、タイミングをずらせれば勝てるなというところはありました」

 あえて一瞬、中に入る素振りを見せてから一気に縦へ、先に一歩前に出たところで中にコースを取っていった。

「中にえぐっていったときにマイナスに家長選手が見えたので、タイミングをうまくずらしていいところに出せたと思っています」

 キックフェイントを入れて相手をだましてから、右足のアウトサイドで折り返し、家長昭博のフィニッシュを導いた。この日、唯一の得点になった。

「ドリブルのコースやタッチが一つでもミスしていたら、アシストにはなっていないと思います。自分の中でのイメージ通りでしたし、タイミングをずらしたりうまく横を見せながら縦に行くところは見せられたシーンなので、そこは良かったと思います。あの突破に関してはパーフェクトかなと思いますね」

 また一つ、語り草になるビッグプレーが生まれた。

 もう一つの新しい魅力が、旗手怜央とのコンビネーションだ。今季は本来FWの旗手が左サイドバックに入っていて、2人のフレッシュな縦関係も見ていて楽しい。ポイントは「近づかない」こと。仲が悪いわけではない。

「怜央は一人ではがすことのできる力があるので、なるべくサポートに行かずにスペースを空けてあげればドリブルで前に進入できるので、そこまで近づかないようにしています。厳しそうになったら近くに寄ってサポートしますけど、なるべく距離感を保ちながら彼の推進力を利用して待つようにしています」

 旗手が気持ち良くプレーできる場所をつくることで、相手は見るべきエリアが増えて混乱する。

「左利きではないので外からボールを巻くというよりは中から通すパスで、出し方も少し変わってくるので、その微調整はしていますけど、能力が高くて僕がサイドにいなくても何でもできる選手なのですごく助かっています」

 そんな2人で織りなす左のアタックには、あふれんばかりの魅力が詰まっている。