川崎フロンターレの車屋紳太郎は柏レイソル戦にセンターバックとして先発し、無失点勝利に貢献した。流れが悪かった前半も慌てず騒がず冷静にプレー。チームが後半、良い流れをつかんだのは安定した守備があったからだろう。

上写真=柏戦に先発し、無失点に貢献した車屋紳太郎(写真◎J.LEAGUE)

■2021年3月13日 明治安田生命J1リーグ第4節(@等々力陸/観衆4,744人)
川崎F 1-0 柏
得点:(川)家長昭博

みんながいい準備をしている

 今季2度目の先発でクリンシートを実現した。車屋は仙台戦に続いて山村和也とCBコンビを組み、柏を完封。前半は相手のロングボールに最終ラインを下げられ、全体をコンパクトに保てずにプレスがハマらない場面も散見した。だが、状況をしっかり見極め、決定機は許さない。濡れたピッチに対応しつつ、組織立った守備でゴールは許さなかった。

「ロングボールに対してはそこまで問題はなかった。自分たちもプッシャーをかければ相手が蹴ってくれるというのは分かっていたので、(旗手)怜央にしてもすごくうまく対応していたと思います。ただ自分たちの前に落とされるボール、ディフェンスラインと中盤の間に落とされるボールに対して、もうちょっとプレスのかけ方というか、ボールが入ったときに誰がいくのか、やらなければいけなかったと思います」

 悪いなら悪いなりに、耐えてみせる。焦らずに相手の攻めをしのぎ、後半の自チームの攻撃につなげてみせた。次第にアグレッシブさを発揮した川崎Fは途中出場の三笘薫が攻撃を活性化し、家長昭博がゴールを奪う。そしてその1点を守り切り、勝ち点3を手にした。

「(前半は)簡単なミスというか、いつも出ないようなミスが続いて、相手にボールを保持される時間も長かった。ピッチの状態も、いつもに比べると難しかったと思いますし、試合開始時間の変更とか、そういうところも(影響が)あったのかなと思います。ただ反省すべき点はありましたが、勝てたのはよかった」

 この日、CBの谷口彰悟はベンチ外、そしてジェジエウもベンチスタートだったが、代わってピッチに立った車屋&山村コンビは安定したプレーを披露。過密日程の中、選手をローテーションしながら戦えるのが、現在の川崎Fの強みでもある。前節の徳島戦の試合後に柏戦を『休養』した谷口は「試合に出る選手が結果を出すというサイクルに入れている。目の前の1試合に集中して戦えている」と話していた。出場した選手が求められる役割をきっちり果たす好循環がチームに生まれている。車屋もそのことを実感していた。

「みんながいい準備をしていますし、僕自身も試合に出たときは、とくにセンターバックで出ているので、無失点で終えることを考えています。全員がチームに戦力として還元したいと思っているので」

 先発、サブ、ベンチ外。立場は違えど、スタンスは常在戦場だ。車屋のプレーが、そのことを証明していた。