3月13日、明治安田生命J1リーグは第4節が開催され、サンフレッチェ広島は鹿島アントラーズと敵地カシマスタジアムで対戦。前半に浅野雄也がミドルシュートを決めて、先制することに成功。後半に追いつかれたものの、貴重な勝ち点1を持ち帰ることとなった。

上写真=サンフレッチェ広島の攻撃を牽引した浅野雄也(写真◎J.LEAGUE)

■2021年3月13日 J1リーグ第4節(@カシマ/観衆6,829人)
鹿島 1-1 広島
得点:(鹿)荒木遼太郎
   (広)浅野雄也

「まだ負けていないのはプラス」

 降りしきる雨の中、浅野雄也の強烈なミドルシュートがゴールネットに突き刺さった。前半30分、「体を張って起点となってくれた」ドウグラス・ヴィエイラからヘディングのパスを受け、「良い感じで自分にボールが来てくれたので、もうシュートしか考えていなかった」と左足を一振り。アウェーで貴重な先制点を奪い、「まあ、うれしかったです」と笑顔を見せた。

 この試合では鹿島の激しいプレッシングを受けながらも、広島の選手たちはパスワークや巧みなボールコントロールでかわし、前線の浅野にボールを預けた。浅野はスピードあふれるドリブルで前へと仕掛けていき、「一番はゴールを意識しています」と何度もチャンスを作り出した。55分にはエゼキエウのパスから2点目を狙うも相手GKに阻まれ、「あのチャンスでもう1点取っていれば試合運びも違っていた。自分の課題です」と反省したが、浅野の攻撃的な姿勢が表れたシーンの一つでもあった。

 その後、鹿島に同点に追いつかれて勝ち切ることはできなかった。それでも、城福浩監督が「鹿島のアウェーで勝ち点を取って帰ることは簡単ではない。結果としてファミリーとともに勝ち点1を持ち帰れたことを喜び合いたい」と話したように、浅野のゴールによって価値のある勝ち点1を獲得し、広島への帰路につく。引き分けの数は多いものの、今季はルヴァンカップを含めて負けなしだ。

「まだ負けていないので、それはプラスのことです。次の試合も広島らしいサッカーをするだけかなと思います」

 前線を駆け回る左利きの韋駄天が、紫の戦士たちを高みへと引っ張っていく。

取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE