2021年3月13日、明治安田生命J1リーグ第4節が開催された。レモンガススタジアム平塚では、湘南ベルマーレとベガルタ仙台が対戦。湘南が素早い攻守の切り替えで主導権を握り、3点を挙げて今季初勝利を飾った。敗れた仙台は3連敗。

上写真=開始わずか2分で高橋諒(右)が左足でずばりと蹴り込んで湘南が先制した(写真◎J.LEAGUE)

■2021年3月13日 明治安田生命J1リーグ第4節(@レモンS/観衆3,642人)
湘南 3-1 仙台
得点:(湘)高橋諒、名古新太郎、町野修斗
   (仙)松下佳貴

・湘南メンバー:GK谷晃生、DF大岩一貴、石原広教、大野和成、MF岡本拓也、名古新太郎(70分、茨田陽生)、三幸秀稔(57分、舘幸希)、山田直輝(82分、古林将太)、高橋諒、FW石原直樹(57分、町野修斗)、大橋祐紀

・仙台メンバー:GKヤクブ・スウォビィク、DF吉野恭平、アピアタウィア久(73分、蜂須賀孝治)、平岡康裕、MF秋山陽介(46分、マルティノス)、真瀬拓海(73分、赤崎秀平)、松下佳貴(88分、加藤千尋)、石原崇兆、上原力也、氣田亮真、FW皆川佑介(63分、西村拓真)

「いい試合の入りができた」(浮嶋監督)

 ホームで今季初勝利を目指す湘南は、序盤から果敢にボールにアタックした。ゲームが動いたのは開始2分だった。相手のクリアボールに反応した名古新太郎がヘディングで左サイドのスペースへ。そこに走り込んだ高橋諒が左足を力強く振り抜いて、先制ゴールをマーク。1点のリードを奪ったあとも、プレスの手は緩めずに1-0で前半を終えた。

 後半も立ち上がりからペースをつかんだのは湘南だ。仙台に攻め込まれる時間帯はあったが、守備陣がしっかり耐えてカウンターで反撃。1点リードで迎えた54分には一瞬のスキをつく。左サイドの高橋から鋭いパスを受けた名古がGKの股を抜くシュートで技ありのゴールを決めた。移籍後初ゴールは貴重な追加点となり、試合を優位に運ぶきっかけになった。

 62分には左CKから新加入の町野修斗がヘディングで合わせて3点目。その後、仙台の松下佳貴に1点こそ返されたものの、2点のリードは確実に守って逃げ切った。

 湘南はJ1通算150勝目。浮嶋敏監督は開幕4連敗を免れて笑みを浮かべていた。

「正直、ほっとしています。試合の前にも、昨季のように連敗してずるずるといかないようにしようと話していたんです。きょうは、いい試合の入りができました」

 アグレッシブに前からプレスをかけていくスタイルは変わらない。チーム状態は上向いており、新加入組もフィットしつつある。巻き返しはここから始まる。

 一方、仙台は開幕戦で引き分けた後、2節から痛恨の3連敗。3試合で13失点と守備が安定感を欠いている。手倉森監督は現実をしっかり受け止め、「きっちり立て直したい。ゴール前の攻防、勝負どころのトレーニングに精進したい」と神妙な顔で誓っていた。

現地取材◎杉園昌之 写真◎J.LEAGUE