3月10日、明治安田生命J1リーグは第3節が開催され、湘南ベルマーレは鹿島アントラーズとカシマスタジアムで対戦。前後半に失点し、岡本拓也が1点を返すも再び突き放されて開幕3連敗。今季初出場の山本脩斗も、古巣から勝利をつかむことはできなかった。

上写真=鹿島アントラーズのザーゴ監督と再会した湘南ベルマーレの山本脩斗(写真◎J.LEAGUE)

■2021年3月10日 J1リーグ第3節(@カシマ/観衆4,546人)
鹿島 3-1 湘南
得点:(鹿)荒木遼太郎2、町田浩樹
   (湘)岡本拓也

「なんか不思議な感じでした」

「16」の背中が、3カ月ぶりにカシマスタジアムのピッチを駆け抜けた。ただ、3カ月の時を経て、胸元のエンブレムの色はディープレッドから、ライトグリーンとブルーに変わっている。鹿島で数々のタイトルを獲得した山本脩斗が、湘南の一員として古巣のピッチに帰ってきた。

「まだ慣れない感じはあります。こうやってアントラーズのスタジアムでやれたというのは、自分としてはなんか不思議な感じでした」

 山本にとって昨季までのチームメイトが、この日の対戦相手となった。しかも、この試合が湘南でのデビュー戦ともなるのだから、気持ちが高ぶったことだろう。「(相手が)古巣ということもあって、すごく楽しみにしていました」と特別な思いを抱きつつ、「チームとして勝てていなかったので、絶対に勝ちたいという気持ちで臨みました」と、勝利を目指した。

 しかし、結果は1-3の敗戦。3バックの左で90分間出場した山本も開幕3連敗に肩を落とした。

「前半を見ても、球際の部分だったり、そういったところで負けていた。戦えていなかった部分があって、なかなかペースがつかめなかったというのが正直なところ。やっぱり勝ちたかったというのが本音で、負けて悔しいです」

 古巣との対戦から、「個々の能力という部分でみんな長けているし、チームとしてやることもはっきりしている。余裕を持たせたらやりたいようにやってくる」と、あらためて鹿島の実力を体感した。だからこそ、「もっと自分たちがプレッシャーをかけられればよかったかなと思うけれど、まだまだ、そういったところが足りないとあらためて感じました」と、現在の湘南の課題も痛感した。

「これから、もっともっとチームとしてやっていかなければいけない部分がある」

 まずはチームに今季初勝利をもたらす。そのために、経験豊富な35歳の守備職人が緑と青の戦士たちを牽引していく。

取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE