JリーグYBCルヴァンカップグループステージ第1節の徳島ヴォルティス戦で、FC東京のルーキーが『味スタ』デビューを飾った。明治大から今季加入のDF蓮川壮大が右CBとして安定したプレーを披露し、無失点勝利に貢献した。

上写真=味スタで先発フル出場を果たした蓮川壮大(写真◎J.LEAGUE)

■2021年3月3日 JリーグYBCルヴァンカップGS第1節(@味の素ス/観衆3,788人)
FC東京 1-0 徳島
得点:(F)田川亨介

予測、球際の強さ、スピードが自分の特長

 ついに憧れの舞台に立った。FC東京のアカデミーで育ち、今季、明治大から加入したルーキーの蓮川壮大が、徳島戦に先発。味の素スタジアムのピッチで『プロ』としてプレーした。

「ずっとこの味スタのピッチでサッカーしたいと思っていたので、それが叶って、試合中は楽しかったです。その気持ちが一番でした」

 試合後には、率直な思いを語った。昨季、すでに特別指定選手としてJ1デビューは果たしている。20節(10月4日)の湘南ベルマーレ戦に途中出場し、7分間プレー。1-0の勝利に貢献したが、アウェーゲームであり、時間も短かった。味スタでの先発出場、しかもプロとしてプレーするのとは、やはり違う。しかも、この日はフル出場を果たし、チームの無失点勝利にしっかり貢献した。

 チーム全体の守備が機能していたこともあり、危ないシーンはほとんどなかったが、蓮川は高い危機察知能力と球際の強さを随所に発揮。徳島の攻撃を跳ね返した。

「球際だったり、カバー範囲の広さは自分の特長でもあるので、そこを出せたのはよかったんですけど、もう少し自分が攻撃の起点になれるようにボールを供給したかった。またしっかりチャンスをつかんでやっていきたい」

 持ち味を出し、自らの武器を確認した一方で反省も忘れない。

「自分のプレーの特長の一つにインターセプト、先を読んで予測して、というところがあるんですけど、そこはこれからも継続してやっていきたい部分です。あとはスピードの部分や球際のところも今日はやれたと思います。課題は攻撃の部分で、ビルドアップ。森重(真人)選手はチームの中心ですが、本当に森重選手ぐらいチームの攻撃の起点になれるようになっていきたい。自分の良さを継続しつつ、これからも突き詰めていきたい」

 4バックの右CBでプレーした蓮川は、逆サイトへのサイドチェンジのパスや永井謙佑ら前線のスピードを生かすボールを意識しながらも出せなかったことを反省した。多くの収穫を得て、そして課題も確認できた味スタデビュー戦。これからも収穫と課題を一つ一つ確認して、進んでいくことになる。

「デビュー戦を勝利で終われたことはこれからプロサッカー選手としてやっていく上で、スタートとして良かったかなと思います」

 次の目標はJ1の公式戦で出場機会を得ること。長谷川健太監督も「今日のメンバーはリーグ戦にどんどん絡んでほしいメンバー。いいプレーした選手は、リーグ戦に絡めていきたいと思っています」と新たな選手の突き上げを求めている。蓮川は、その一人になるべくこれからも研さんを積む。

取材◎佐藤 景 写真◎J.LEAGUE