2021年3月3日、JリーグYBCルヴァンカップグループステージ第1節が開催された。味の素スタジアムでは前回王者・FC東京と徳島ヴォルティスが対戦。J1の開幕戦から中3日の試合には、ともにメンバーを入れ替えて臨んだが、激しくタイトな『らしい戦いぶり』でFC東京が1-0の勝利を飾った。

上写真=後半の59分に決勝ゴールを決めた田川亨介(写真◎J.LEAGUE)

■2021年3月3日 JリーグYBCルヴァンカップGS第1節(@味の素ス/観衆3,788人)
FC東京 1-0 徳島
得点:(F)田川亨介

・FC東京メンバー:GK児玉剛、DF中村拓海、蓮川壮大、ジョアン・オマリ、バングーナガンデ佳史扶(81分:小川諒也)、MF三田啓貴、青木拓矢、内田宅哉、FW田川亨介(81分:渡邊凌磨)、永井謙佑(61分:アダイウトン)、紺野和也(68分:高萩洋次郎)

・徳島メンバー:GK長谷川徹、DF藤田征也、鈴木大誠、安部崇士(46分: 田向泰輝)、ジエゴ、MF渡井理己(82分:藤原志龍)、鈴木徳真、小西雄大、川上エドオジョン智慧(72分:杉森考起)、FW佐藤晃大(46分:鈴木輪太朗イブラヒーム)、河田篤秀(78分:垣田裕暉)

バランスのいいサッカーができた(長谷川監督)

 J1開幕戦から中3日で迎えたルヴァンカップの開幕戦。FC東京も徳島も、ともに先発をガラリと入れ替えて臨んだ。互いに譲らぬ前半45分を終えて、ゲームが動いたのは後半59分のこと。この一戦を前に「序列を変えたい」と話していたFC東京の田川が豪快にネットを揺らした。

 永井が右から入れたクロスは徳島の右SB藤田に一度はクリアされた。だが、そのクリアが小さくなったところを見逃さなかった。ペナルティーエリア内で進入していた田川がダイレクトで左足を合わせてGKの頭上を破った。

 1点を先行したFC東京は、さすがの試合運びを見せる。徳島にボールを持たせてもソリッドなブロックを組み上げてシュートチャンスを与えない。そしてボールを奪えば、持ち前の推進力を生かして前に出ていく。アグレッシブさを示しつつ、リスクも管理。中をタイトに締めて徳島にチャンスをほとんど与えず、疲労が見える選手を交代させながら時計の針を進めると、欲しかった勝利をきっちり手にした。

「出た選手たちがよく頑張ってくれました。前半からバランスのいいサッカーでできたと思います。しいて言えば、ボールを奪ったあとにもっともっとボールを大事にすればチャンスは増えたと思いますが、後半良い時間帯に点を取ることができたと思いますし、そのあとも時間を進めることができました。
 (グループステージは)6試合なので、初戦ホームで勝てたということは、大きなアドバンテージを取ったと思います。次にが神戸とホームのゲームなので、神戸も初戦は大分に勝ってますので、大きなゲームになると思いますが、予選を戦っていく上でポイントになると思いますので、次節に向けてまた準備をしていきたい」

 グループステージ突破にはまず「ホームでしっかり勝つことが大事」と話していた長谷川健太監督はこの勝利の意味に言及し、そして「今日のメンバーはリーグ戦にどんどん絡んでほしいメンバー。いいプレーした選手は、リーグ戦に絡めていきたいと思っています」と選手たちを称えた。もちろん指揮官が触れているように、ボールを奪ったあとの展開など改善の余地もあるが、J1開幕戦とは異なる先発メンバーで臨み、FC東京らしいアグレッシブでソリッドに戦い抜いた意味は大きい。今後のリーグ戦に向けてもプラスになる勝利だった。

取材◎佐藤 景 写真◎J.LEAGUE