2月26日の明治安田生命J1リーグ開幕戦で横浜F・マリノスを2-0で下して好スタートを切った川崎フロンターレ。3月3日にはセレッソ大阪との第11節が控えている。鬼木達監督は新戦力のパワーをどんどん取り込んでいく構えだ。

上写真=今季も攻撃サッカーをさらに進化させる鬼木達監督。まずはC大阪を破って2連勝といきたい(写真◎小山真司)

「クルピさんのサッカーはクロスのところがメーン」

「連勝は狙っていきたいですね」

 今季も「川崎フロンターレ強し」を強烈に印象づけた、J1開幕の横浜F・マリノス戦。2-0の勝利から中4日で、セレッソ大阪を迎え撃つ。もちろん、淡々と勝利を収めていくだけだ。

「昨年、多くの連勝記録を打ち出してきて、いろんな記録を超えていきたいですし、そもそも勝つことに関しては執着心を持ってやっていきたいと思っています。1試合3得点を目指している中で、それが達成できなくても最後に勝っている、ということは外してはいけないところです。勝負にこだわるところはやっていきたいので、連勝は狙っていきたいですね」

 1試合3得点というフレーズの破壊力に目を奪われがちだが、そもそもの目的は勝ち点3。昨季は34試合のうち26勝をもぎ取って圧倒したが、突き詰めれば「5分け3敗」が心残りでもあった。勝利への精度を高めていくために、ちゅうちょなく新しい風を取り込んでいる。

「どんどんと人が入っていかないとタイトルには届かないと思っています。少しでもいろんな選手が入ってこれるようにしたいし、もちろん普段の取り組みや力を見せてくれないと、勝負にこだわっていますので簡単ではないと思います。それでも使ってみたいと思わせるパフォーマンスを見せている選手は多いですし、いまはメンバーに入れていないけれど、この短期間で気持ちや取り組む姿勢を見せて要求に答えようとしている選手が多く、仮にゲームに絡んでいなくても、いつ使っても入ってくることができるという感覚があります」

 練習場である麻生グラウンドでの充実度は、今年も高そうだ。これからも次々と新戦力が新しい刺激を与えていくことだろう。

 その次の一歩がC大阪戦。レヴィー・クルピ監督が帰ってきて、開幕戦では柏レイソルを2-0で叩いて勢いがある。

「攻撃への積極性が出てきているという印象です。流動的でもありますし、やってはいけないプレーがないというか、自分たちで制限なくプレーできている感じがします。あとはクルピさんのサッカーはクロスのところがメーンというか武器として昔からあります。この前の試合の得点もそうでした。守備も昨年よりアグレッシブに、コンパクトになりながらやっていると思うので、去年までとは違うサッカーになっているかなと見ています」

 昨季はホームで5-2、アウェーで3-1と、ともに勝利を収める「ダブル」だった。だが、リミッターを外したかのような新スタイルに移行したC大阪のパワーを侮ることはない。