上写真=山崎凌吾が開幕戦で90分プレー。幸先の良い幕開けだ(写真◎J.LEAGUE)
「曜一朗くんと距離を近くすることを意識して」
栄えある開幕戦に先発出場。2月28日、山崎凌吾は名古屋グランパスの最前線に立ち、J1に昇格して意気上がるアビスパ福岡のゴールを脅かしていった。
「アビスパさんの戦い方や、タフな試合になることは予想されていました。僕自身は相手センターバックに対して優位性を保って、しっかり起点になったりスピードアップを意識して試合に入りました」
移籍1年目だった昨季の開幕戦はベンチスタートで、残り20分ほどのプレーに留まっていた。1年後、堂々のフル出場だ。
「90分、ピッチに立ちましたけど、最後はバテバテでした。プレーのクオリティーが下がってしまったので、まだまだと思いました。コンディションを上げていって90分戦える体にしていきたい」
プレシーズンの体づくりから実戦に移行する流れの中では、疲労の蓄積もあるし開幕戦ならではの雰囲気もある。それでも、マテウスの2ゴールで2-1として勝利で終えたことは大きな一歩だ。
前線では柿谷曜一朗との関係が「新しいグランパス」の魅力になった。
「曜一朗くんもずっと1トップをやって来た中で、沖縄(キャンプ)では1回一緒にやったんですけど、そのときは悪くなかった印象でした。福岡戦も曜一朗くんがトップ下というよりは一緒に2トップという感じで距離を近くすることを意識してプレーしました。距離感がいいときにパスをつなぎながらというシーンもあったので、そういうことを意識して試合に入りました」
「曜一朗くんが近くにいることは分かっていたので、意識しながらワンタッチではたけるところははたいて、いい時間帯は距離感が良かったと思います。センターバックとボランチの間が空いていたのでうまく使えたと思いますし、ほかの選手もうまくフォローしてくれたので、いい場面はそういうことがつながっていました」
この試合では残念ながらゴールとはいかなかったが、これからも常に狙っていくことに変わりはない。
「サイドアタッカーに個人で突破できる選手が多くいるので、クロスから点を取ることをイメージとして持っています。練習でもそういう形をやっているので、僕自身はそれがいま一番にイメージできるゴールの形です」
開幕戦では右にマテウス、左に相馬勇紀を両翼に配して、2人の突破力を生かしながらチームの攻撃のリズムを作っていった。同じくドリブラーの齋藤学も74分からピッチに立って名古屋デビューを果たしたし、サイドバックでも右の成瀬竣平、代わって入った宮原和也、左の吉田豊と個性あふれるサイドアタッカーが揃っている。
サイドを駆け抜けた彼らがクロスを上げるその瞬間、ゴール前で待ち構える背番号9をしっかり見ておこう。