上写真＝同点ゴールを叩き込んで吠える。森重真人は攻撃の起点としても効果的なパスを披露した（写真◎小山真司）
■2021年2月27日 明治安田生命J1リーグ第1節（＠埼スタ/観衆4,943人）
浦和 1-1 FC東京
得点：（浦）阿部勇樹
（F）森重真人
「交代選手が入ってきてからギアが上がった」
開幕戦。アウェーゲーム。勝ち点1。悪くない。
悪くはないのだが、新監督を迎えて意気上がる浦和レッズに押し込まれる形で自分たちの良さを封じられたから、森重真人の中にももどかしさは残る。
「全体を振り返ってみて、自分たちのやりたいことはできなかったという印象です。もっとアグレッシブに奪いにいくことや、相手の嫌なところを突いていくことを前半からしなければいけなかった。点を取られて、交代選手が入ってきてからギアが上がったかな。それを前半からやらないと」
浦和の阿部勇樹に先制されたのが74分。その後に三田啓貴、青木拓矢、田川亨介が投入されて、86分に森重が決めた同点ゴールも交代選手のプレーからだった。田川がファウルを受けてFKを獲得。これを森重の頭に合わせたのは、三田の鋭い左足のキックだった。森重は後ろからくる難しいボールをヘッドで叩きつけると、ボールはワンバウンドしてゴールに吸い込まれた。
終盤になって交代選手のパワーを使うことができたからこそ、特に前半の堅さに悔いを残す。ボールを動かす相手に後手を踏む形で、攻守の両方に課題を感じていた。守備では「迷い」。
「守備の行き方ですよね。奪いに行くところで迷いが生じて、後ろから声をかけるのはもちろんですけど、共通理解を持って試合の中で修正しなければいけなかった」
攻撃では「ノッキング」。
「奪ったあとにボールを失うことが多くて、スムーズに前線につなげませんました。そこは今日の課題でしたね」
長谷川健太監督も、遅れて合流した外国籍選手のコンディションが揃っていないことを明かしている。ディエゴ・オリヴェイラが前半で交代、アルトゥール・シルバが75分、レアンドロも81分で退いた。
それでも勝ち点1を拾ったことは、大きな収穫ととらえることができる。森重はそこを評価する。
「開幕戦はみんな堅くなるのは分かっていました。だからセットプレーは攻守に重要だと思っていて、その通りに取られたし決められたし、何とか引き分けでアウェーを終われたのはよかったです」
FC東京の今季最大の目標は、リーグ優勝。そのために長谷川監督が課すのは60ゴールだ。開幕戦でまずは一つ。残り59ゴールだ。
取材◎平澤大輔 写真◎小山真司