マッシモ・フィッカデンティ監督は今年も情熱的だ。2月28日に迎える2021年の開幕戦はアウェーのアビスパ福岡戦。昨季J1で3位に入った成功体験を存分に生かして、一戦必勝の構えで勝ち点を積み上げていくつもりだ。

上写真=開幕直前にこの笑顔。マッシモ・フィッカデンティ監督はチームの状態に満足そうだ(写真◎スクリーンショット)

「開幕は何が起こるか分からない」

 マッシモ・フィッカデンティ監督は、全身からパワーをみなぎらせている。

「去年は最後に結果を出したいと戦ってきて達成できて、素晴らしいフィナーレを迎えることができました。ただ、今季は私は沖縄合宿で合流するまでに長い隔離期間がありました。あまりにも苦しかったんです。だから、やっと合流してからは残り時間がない中で、チャージしたエネルギーを一気に爆発させながら作業しています。

 世の中は皆さん、苦しい中で仕事をしていく、生きていくという状況で、私は幸いこの仕事をやりながらアドレナリンが出て集中して全力で取り組めていて、恵まれていると思っています。すでにスイッチは入っていますが、試合が始まったらさらに増幅されると思います。そこを味わいながら、堪能しながら生きていきたい。やっと始まるんだなと楽しみにしています」

 幸せを感じるアドレナリンを体中に巡らせながら、フィッカデンティ監督は今年も応援する人のために戦う覚悟だ。

 最初のゲームは2月28日、アウェーのアビスパ福岡戦。昇格組だが、だからこその警戒を抱く。

「いまになって去年のJ2の試合を見ているのですが、メンバーも変わっている中で想像していくと、フィジカルの強さを生かしたサッカーをベースとして持っているのかなと感じています。情報がない中で、始まってみないと分からないところもありますが、1試合1試合、相手がどうだということではなくて、出せる力をすべてぶつける取り組みを変えないことが大事です。
 福岡はJ2で素晴らしい戦いをしてきて、勝者のプライドを持った状態にあると思います。勝ち慣れていますから、勝つために戦ってくるでしょう。こちらもしっかり準備したいと思います。日本に来て8年目になりますが、開幕は何が起こるか分からないので、より慎重に進めます。うちの選手は油断を見せないので、しっかりやりたいと思います」

 もちろん名古屋にも、フィッカデンティ監督にも、J1で3位という昨年の成功体験がある。

「サッカーへのアプローチとしては、次の試合にどれだけ選手を集中させることができるか、に尽きます」

 うまくいったアイディアを崩したくはないという。

「川崎、鹿島、ガンバ、東京などが、優勝を、上位を争う上で越えなければいけない相手です。そういったチームが去年より良い結果を出そうとしていて、ほかの方が良いサッカー、勝つ可能性が高いのであれば、それ以上の努力を続けるだけです」

 先を見通すことはせず、一戦必勝のポリシーも昨年と同じ。ただし、結果だけは、昨季以上を求めていく。