Jリーグは24日、リーグ戦の開幕を前にオンラインでの記者会見を実施した。北海道コンサドーレ札幌のミシャことペトロヴィッチ監督と横浜FCの下平隆宏監督は、激突する今季開幕戦から真っ向勝負で勝ちにいくと宣言した。

上写真=札幌のペトロヴィッチ監督と横浜FCの下平監督(写真◎スクリーンショット)

■2021年2月27日(土)14:00KO J1リーグ第1節(@札幌ドーム)
北海道コンサドーレ札幌対横浜FC

ぶつかり合う攻撃マインド

 横浜FCは今季、クラブ史上初めて2シーズン連続でJ1を戦う。昨季はコロナ禍でのレギュレーション変更により降格がなかったこともあるが、例年の残留ラインである15位と、クラブ史上最高位で終えたことも事実だ。

 下平隆宏監督は気を引き締めつつも、今シーズンさらに一歩進むつもりだ。「降格をしないようにしながら、チームの目標のトップ10に入るという難しいミッションに取り組みたいと思っている。緊張感を高めながら選手と一緒に準備をしている状況」と、開幕まで1週間を切った状況を語った。

 開幕戦であたるのは、かつてはJ1とJ2を行ったり来たりしていたが、今季は5シーズン連続でJ1を戦う北海道コンサドーレ札幌。昨季2敗と、苦い思いをさせられた相手への分析は完璧だ。

「本当に攻撃的で組織的なところもある。特に攻撃は幅を使ったり多彩な攻撃をやりこんでいて、厄介だなという印象。昨季途中からオールコートマンツーマンのような守備をしてきているので、しっかりボールを持っていくという我々のコンセプトとは相性が悪い相手ではあると思う。どう対策をしていくか準備をしているところなので、難しい相手ではあるが、しっかり準備して臨みたいと思う」

 その厄介な相手に、守ってばかりでは勝機は見えてこない。今季、10位以内という目標を達成するためにも、自分たちの良さを出していくつもりだ。

「失点はチームでの守備の仕方もあるし、もちろん個でやられることもある。去年はさまざまなパターンでやられた。失点を減らしていくのは今年のチームの目標ではあるが、トレーニングマッチでも失点している。それ以上に、攻撃の選手を補強してもらったので、失点は減らしたいが、より攻撃で点を取りたいと思っている」

 斉藤光毅や一美和成といった若きアタッカーはチームを離れたが、伊藤翔や渡邉千真ら実績ある選手が入り、FW陣はガラリと入れ替わった。そうした得点力と経験を、昨季に上乗せしていくつもりだ。

 北海道コンサドーレ札幌を率いて4年目になるペトロヴィッチ監督も、一歩も引くつもりはない。勝利が第一ではあるとしながらも、「見ている人たちがいかに面白いと思ってくれるかが、サッカーをやるにあたって非常に大事なことだと思う」と断言。「私自身は常に攻撃的な戦い方で、相手以上に多く点を取って勝つことを目指す」と真っ向から攻め合うつもりだ。

 下平監督が指摘したように、昨季のシーズン途中から新たな手を打って上位チームも苦しめてきた。「相手が策を練って攻撃的なサッカーに対策してきたら、モチベーションを上げてさらに相手を上回ることを考える」と、常に頭をポジティブにフル回転させている。

「横浜FC戦では、1対1の攻防が多くなる。どちらがよりアグレッシブに戦い、瞬間的に相手よりも良い判断ができたチームが優位に試合を進めることになる。相手との競り合い、多くの1対1の局面で勝てるチームが、試合ものにできるのではないか」

 おそらくは、プレーしている選手たちにも刺激的な一戦。多くのサッカーファンが楽しめるゲームになることだろう。