2021年のJリーグがいよいよ今週、開幕する。サッカーマガジンWEBも参加する「DAZN Jリーグ推進委員会」では、各クラブの注目選手にインタビューを実施。覇権奪回を目指す横浜F・マリノスからはゴール量産が期待されるオナイウ阿道に登場願った。2020年の王者チームとの対戦で勝利を飾り、好スタートダッシュを切りたいと、ハマのストライカーは燃えている!

上写真=加入2年目の今季はゴールでチームを引っ張りたいと話すオナイウ阿道(写真提供◎Y.F.M.)

言葉にすることが大切

ーー昨季の最終節、横浜FC戦で手応えをつかんだという発言がありました。改めて何をつかめたのか聞かせてください。

オナイウ 横浜FCには負けて悔しかったのですが、個人的にはある程度、こうやったらもっと良くなるのかなという感覚をつかめました。得点を取れましたし、他にも取れるチャンスがあった。だからあの試合でシーズンが終わってしまうのが惜しかったですね。点を取る感覚、攻撃への絡み方、起点になるプレーは、去年の最初の頃よりもしっかりできていたので。

ーーキャンプでもその感覚は維持できていましたか。

オナイウ 意識しながらは。チームが新しいやり方にトライする中で、もっと点を取れるなという感覚はありました。

ーー新シーズンを迎える上で何か意識していることはありますか。

オナイウ 去年は、自分にチャンスがなかったシーズンではなく、そのチャンスを生かし切れなかったと思っています。生かしていれば、より多くの出場機会があったはずだし、スタートから出る試合ももっとあったはず。いま強く感じるのは、結果の重要性です。

ーー結果を出すためには、何が必要なのでしょうか。

オナイウ 自分自身のことを分かってもらうことだと思います。僕自身は去年チームにいたジュニオール・サントス選手やエリキ選手みたいに、個人で打開するタイプではない。周りに生かされて、周りを理解して結果を出すタイプだと思います。だから、これまで以上にコミュニケーションを取っています。味方に「あいつはこうやってパスをを出せば点を取ってくれるな」とか「こうやればパスを受けやすいんだな」とか、理解してもらえるように。

ーーこれまでとは違うアプローチの方法で?

オナイウ 去年までだったら、何となく伝わっていると思っていましたが、より詳しく、詳細に伝えることで、相手が抱くイメージが鮮明になる。話し合わなくても呼吸が合う選手というのは存在するものですけど、詳しく話し合うことで意思の疎通の精度が上がります。だから言葉にしていますね。

ーー言葉の大切さについては、以前も話していましたね。

オナイウ 思っているだけだと思っているで終わってしまう。周りに理解してもらうには、言葉にしないとだめなんだなと。あとは自分に言い聞かせるという意味でも口にすることが必要だと今は思っています。例えば試合が日曜日にあって、1週間前からそれをやってしまうと頭がリラックスする時間がなくなってしまうんですけど、2日前とか前日とか、寝る前に考えるんです。「自分にチャンスが来る」と言い聞かせて、家族にも「ゴールを取るぞ」と言ったり。結果論ですけど、そうすると意外と結果につながるケースがあります。言葉にすることで、人に伝わるし、自分にも言い聞かせることにもなって、プレーにもいい効果が出るんじゃないかと。
 去年は試合のスタートから出られなかったし、ACLでも最初はなかなか試合に出られませんでした。でも、「俺は点を取る」と言うことによって、なんとなくボールが集まってきたと感じます。監督もよく言いますけど、そういう気持ちの部分は本当に大事で、その意味で今は言葉にすることが大切だと思っています。周りにも自分に対しても。

ーーその結果、自分の特徴について、以前よりも周りに理解されていると感じますか。

オナイウ でも、もっとですね。自分をもっとアピールしていかないといけないなと。なんだろう、優しい感じでいるのもダメだし、もっと我を出してもいいとも思います。みんなに要求して、逆にみんなが要求することにも応えていきたい。もっともっと共有できるようにしていきたい。