2021年のJリーグがいよいよ今週、開幕する。サッカーマガジンWEBも参加する「DAZN Jリーグ推進委員会」では、各クラブの注目選手にインタビューを実施した。大分トリニータからは今季加入の新戦力、長沢駿が登場。片野坂知宏監督との邂逅とけん引車としての覚悟を熱く語った。

小学生のときに伸二さんの読書感想文を

攻撃の中心としてはもちろんチームを引っ張る存在としても期待される長沢駿(写真提供◎大分トリニータ)

――DAZNの今季開幕に向けたキャッチフレーズ『#2021のヒーローになれ』にちなんで、長沢選手があこがれたヒーローは?

長沢 小野伸二選手です。静岡県の清水の出身なので、伸二さんが清水商高のときは会場で見ていました。めちゃくちゃうまくて、18歳でワールドカップに出ていますし、すごかったです。小学4年生か5年生のとき、伸二さんの本を読んで読書感想文を書いたんですよ。

――小野選手とは清水エスパルス時代の2010年にチームメイトでしたね。

長沢 まさか一緒にプレーできるとは思っていなかったので、うれしかったです。キャンプで同部屋だったので質問しまくったときも、ていねいに教えてくれました。読書感想文を書いた話も伝えたんですよ(笑)。ほかの選手も言っていましたが、2人で向かい合ってパスをしているだけでも、伸二さんのうまさに影響されて、自分がうまくなったと感じるんです。練習ではなるべく同じグループに入り、何かを盗めるようにしていました。今季、伸二さんは北海道コンサドーレ札幌に移籍して、J1に戻ってきたので、会うのが楽しみですし、僕が頑張っている姿を見せたいです。

――その今季、開幕戦はホームで徳島ヴォルティスと対戦します。

長沢 昨季の天皇杯準決勝(ガンバ大阪戦)を見たとき、チームとしてまとまっていて、一人ひとりの能力が高く、戦術的にもしっかりしていると思っていました。監督が代わり、まだ来日できていないそうですが、難しい試合になるだろうと感じています。

――新しいホームスタジアムとなる昭和電工ドームでの試合です。

長沢 ドームは独特の雰囲気がありますよね。早くゴールを決めて、大分の一員として認めてもらいたいです。フォワードは1点取れれば少しホッとしますし、2点取れば勢いに乗って、チームメイトも信頼してくれますから。

――昨季、ベガルタ仙台ではホームで未勝利に終わりました。最終節後のDAZNインタビューで、長沢選手が涙を流していた姿が印象に残っています。

長沢 どんなチームでも、ホームで勝てば勢いに乗れます。ファン・サポーターの皆さんと一緒に喜び合うこともできなかったので、本当に悔しかったです。今季は移籍しましたが、大分でホームの皆さんにたくさんの勝利を見せたいです。

――今季も当面は観客数の制限、声を出しての応援の禁止など、制約があります。

長沢 もどかしい状況でもスタジアムに足を運び、応援してくださるファン・サポーターの皆さんには、とても感謝しています。昨季を経験して、この応援を無駄にしないように、プレーでも結果でも示さなければいけないという責任感は強くなりました。皆さんが喜ぶのはチームの勝利ですから、一つでも多くの勝利を届けたいと思っています。

――新加入ですが、チームを引っ張るリーダーシップは意識していますか。

長沢 チームを引っ張るためには、まず自分が、がむしゃらにやる必要があると考えています。何かを言うよりも、練習でも試合でも、プレーで示さなければいけない。一つひとつの練習で手を抜かず、きちんとやるところを、周りの選手には見てほしいです。

――最後に、大分のファン・サポーターの皆さんへのメッセージをお願いします。

長沢 加入1年目なので、僕がどういう選手なのか分からない方もいると思います。なるべく早く結果を残し、良いプレーをして、 皆さんに応援してもらえるような選手になりたいです。見てほしいのは、もちろんゴールが一番ですが、チームのために戦うことができる、ハードワークできるところも持ち味だと思っているので、そういうプレーも見てもらえたら、うれしいです。大分のために頑張ります! 応援してください!

取材・構成◎石倉利英