2021年のJリーグがいよいよ今週、開幕する。サッカーマガジンWEBも参加する「DAZN Jリーグ推進委員会」では、各クラブの注目選手にインタビューを実施した。大分トリニータからは今季加入の新戦力、長沢駿が登場。片野坂知宏監督との邂逅とけん引車としての覚悟を熱く語った。

上写真=新加入ながらキャンプでも存在感を示していた長沢駿(写真◎大分トリニータ)

スタイルが自分に合っている

――大分加入1年目のプレシーズン、どのように準備を進めていますか。

長沢 早くなじめるように、チームの狙いや監督が描いている戦術を理解することに努めています。チームメイトの能力や特徴を見極めながら、僕がどう生かしていくかを考えつつ、僕がこんな選手だと理解してもらうことも、話し合いながら進めているところです。

――これまで期限付き移籍も含めて数多くの移籍を経験し、大分は8クラブ目です。過去の経験を踏まえて、加入1年目はピッチ内でどんなことを意識するのですか。

長沢 まずは合流する前に映像を見て、この選手はこんなプレーが得意で、こういうボールを出してくれる、といった情報を得るようにします。合流してからは、僕自身のことも理解してもらう必要があるので、どのクラブでも加入1年目は、それが一番難しいところです。でも大分は能力が高く、理解力のある選手が多いので、すごく良い感触があります。

――加入する前は大分のプレーについて、どんな印象を持っていましたか。

長沢 対戦したときに、ボールを持つ時間が長く、サイドをうまく使いながら攻撃して、クロスが多いチームだと感じていました。僕はクロスに合わせるプレーが得意で、その形からのゴールが多いので、合うと思います。チームメイトが「こういうクロスを上げますね」と言ってくれるのは心強いですし、ゴールを決めることへの責任も感じますね。

――片野坂知宏監督はガンバ大阪でプレーしていた2015年当時、ヘッドコーチを務めていました。大分への移籍を決めるにあたって、そのことは大きかったのですか。

長沢 大きかったですね。僕の性格やプレースタイルを分かってくれている監督のクラブなら、なじみやすいだろうし、信頼関係もあります。オファーが来たときは前向きになれました。もちろん大分が面白いサッカーをやっていることも理由の一つです。

――片野坂監督から言われて、印象に残っている言葉はありますか。

長沢 昨季の第31節(12月6日)で大分とアウェーで対戦したとき、試合後にカタさんにあいさつに行ったら、僕に背を向けて「駿、待ってるぞ」と言われました。そういう話があると聞いたばかりで、まだ具体的なことは何もなかったのですが、監督から直々にそんなことを言われることも、あまりないと思いますし、うれしかったですね。

――片野坂監督から期待されていることは?

長沢 最初にあいさつしたときに「大分はあまり高さがなく、セットプレーからの失点が多くて、セットプレーからの得点は少ない」と言われました。そこで僕がプラスになれるはずですし、守備でハードワークができるところも、カタさんは分かってくれていると思います。あとは先ほども言ったように、サイドを攻略していくので、僕がどのようにクロスに合わせるかが重要になります。

――片野坂監督について、ヘッドコーチ時代との違いで感じることはありますか。

長沢 監督ですから、コーチ時代よりそういう指示が増えるという面もあると思いますが、戦術に関する指示が、すごく細かいです。練習試合でも、うまくいかないことを前半のうちに修正して、ハーフタイムには、なぜうまくいかなかったのかを分かりやすく伝えてくれます。なぜうまくいかないのか、僕たちが何となく感じていることを、的確にズバッと指摘されて、さらに変化を加えることができる。すごいと思いますし、サッカーをより深く感じることができた瞬間でした。