Jリーグは23日、リーグ戦の開幕を前にオンラインでの記者会見を実施した。セレッソ大阪のレヴィ―・クルピ監督と柏レイソルのネルシーニョ監督は、ブラジル人らしく陽気に言葉を交わしながら、初戦にかける意気込みを示した。

上写真=オンライン会見で旧交を温めたクルピ監督(左)とネルシーニョ監督(写真◎スクリーンショット)

■2021年2月27日(土)16:00KO J1第1節(@ヤンマースタジアム長居)
セレッソ大阪 対 柏レイソル

手ごわい「最悪」の柏を迎え撃つクルピセレッソ

『キックオフ』時間を過ぎても、なかなか『開始』とはならなかった。開幕戦に向けて行なわれたオンライン会見のことだ。だが、いざ始まると、しばらく両指揮官によるショーが続く。画面越しに再会した2人のブラジル人監督が、満面の笑みで会話を続けること数分間。「やはり日本で仕事をするのはいいな」。ともに長らくJリーグのチームを率いた名将は、たっぷりと旧交のウォーミングアップを終えてから、今季初戦について話し始めた。

 レヴィ―・クルピ監督は、3年ぶりに日本へ戻ってきた。ネルシーニョ監督に話したように、監督業は引退するつもりだったが、日本からの誘いならばと、再びセレッソ大阪を率いることに決めた。

 4度目の指揮となるチームで、求められることは分かっている。「シーズンを通して常に前に、攻撃的に、勝利を目指して戦う姿勢を、柏との試合では見せたいと思っている」。アグレッシブなサッカーを初戦から展開するつもりだ。

 柏レイソルのネルシーニョ監督は、日本で10シーズン以上を戦ってきた。歴戦の指揮官は、「コンディションなどまだまだ100パーセントには程遠いが、良いキャンプができた」と手応えを語る。「アウェーでの厳しい試合になると予想するが、良い試合になるとも思う。選手が積み上げてきたものと個性、勇気を持って臨むことが求められると思う」と、長いシーズンの第一歩を見据えた。

 ともに日本とブラジルを行き来しており、Jリーグのピッチ上で顔を合わせるのは2013年以来のこととなる。クルピ監督が「洗練されたチーム」と柏について語れば、ネルシーニョ監督も「攻守にわたり気の緩みが許されない試合になると思う」と応戦する。

 クルピ監督は「ネルシーニョのチームの印象は“最悪”。本当に手ごわいので、負けるのではないかと戦うのが怖い」。ジョークのオブラードにくるみはしたが、相手に敬意を抱いていることは明らかで、「試合前の怖さは、(心理的に)警戒状態にするには大事な感情の一つ」というのも本音だろう。

 質問を受けたネルシーニョ監督より先にクルピ監督が話し始めるなど、会見はまさにラテンの乗り。最後まで笑顔が絶えなかった両者の対決で、最後に笑っているのはどちらの指揮官だろうか。