浦和レッズの藤原優大が17日、オンラインで取材に応じた。注目の高卒ルーキーながら本人はいたって冷静だ。プロの世界に入って感じた違いや差について、そして現在、自身が置かれている状況について語った。

上写真=SC相模原とのトレーニングマッチでプレーする藤原優大(写真提供◎URAWA REDS)

失敗を恐れずにチャンレンジし続ける

 青森山田高の主将として、全国高校選手権で準優勝に貢献したセンターバックの藤原優大が、プロ1年目の壁に直面している。

「これまではチームの中心としてやってきたなかで、一からやる難しさを感じています。(レッズは)戦術面、メンタル面で数段上のレベル。気持ちの準備をした上で自信を持ってここにきましたが、レベルの高さに圧倒されています。自分の思い描いたプレーはまだできていないです」

 2月13日のSC相模原とのトレーニングマッチでも、持ち味の一つであるサイドチェンジのパス、リーダーシップあふれるコーチングは鳴りを潜めていた。注目度の高い超高校級のルーキーだけに多くを期待してしまう。ただ、本人は落ち着いて現状を見極め、前を向いていた。

「高校とは全く違います。ボールを動かす戦術などは取り組んだことはなかったので。理解しようとしていますが、ポジショニングなどに迷いがあります。それでも、中学校時代から磨いてきた得意のヘディングはある程度、通用するという実感はあります。実戦で失敗を恐れずにチャレンジしていけば、成長していけると思います。聞く耳を持って学んでいきたいです」

 経験豊富な槙野智章からは同じセンターバックとして、参考にすべきことが多いようだ。

「何でもできますので。すべての能力が平均以上。スキがないです。僕がベテランになれば、あんな風に引っ張っていきたいと思います」

 年代別日本代表に名を連ねるエリートで世代トップクラスの実力を備えているが、浦和では多くの刺激を受けている。A代表経験を持つ先輩たちからは盗めるものは盗み、同期の鈴木彩艶には対抗意識を燃やす。16歳でプロ契約を結び、2年前からトップで練習しているGKの醸し出す雰囲気は高卒1年目のそれではない。

「尊敬というか、同期なのにあそこまでやれるのかと。18歳のプレーではないですね。負けられない。見習わないといけません」

 冬の選手権を沸かせた男は目の前の壁を一つずつ乗り越え、大きくなっていく。

文◎杉園昌之