J1の浦和レッズは13日、埼玉スタジアムと埼玉スタジアム第2グラウンドでJ2のSC相模原とトレーニングマッチを行なった。1試合目は2-0、2試合目は3-0で勝利を収めた。試合後、先制点をマークした新人の伊藤敦樹がオンライン取材に応じ、試合を振り返った。

上写真=SC相模原とのトレーニングマッチで存在感を示したボランチの伊藤敦樹(写真◎URAWA REDS)

左足ボレーで先制ゴールをマーク

 今季、流通経済大から加入した大卒新人のボランチが、埼玉スタジアムで大きな存在感を示した。伊藤敦樹は中盤の中央で主将の阿部勇樹と並び立つと、堂々たるプレーを披露。ビルドアップのときは最終ラインの位置まで下がり、中央から丁寧にパスを配った。機を見計らい、バイタルエリアに走り込んでいく動きも迫力十分。そして、40分にはCKの混戦から鋭い反応を見せ、左足ボレーでプロ初ゴールをマークした。試合後は「素直にうれしい」と喜びを隠さなかったが、攻撃面の反省も忘れなかった。

「テンポを変えるパスやスイッチを入れるパスをもっと出せれば、良かったです。イージーなミスでボールも失いました」

 一方、守備面では気の利いたカバーリングで全体のバランスを取っていた。高い位置を取るサイドバックの背後をケアし、センターバックが前にボールを持ち運ぶと、素早くすっとカバーに入った。

「それもボランチのタスク。僕はサッカーを知っているほうだと思います。戦術理解度の高さは、僕の特徴。監督が求めていることは理解できています」

 確かな手応えを口にしつつも、謙虚な姿勢は忘れていない。経験豊富な先輩からは日々、多くものを吸収している。この日も阿部の危険察知能力の高さに舌を巻いていた。普段のトレーニングから助言をもらっており、ボランチのお手本としているようだ。

「見て学ぶところはあります」

 J1のリーグ開幕までは残り2週間。大幅にリニューアルされた浦和の中盤で輝きを放つルーキーは攻守両面でアピールを続けている。

「このまま開幕スタメンを取れるようにやっていきたい」

 下部組織で育ってきた22歳の力強い言葉には自信が宿っていた。2月27日、開幕戦の舞台となる埼玉スタジアムは幼い頃からの憧れの場所である。生粋の浦和っ子の胸は高鳴るばかりだ。

取材◎杉園昌之 写真◎URAWA REDS