名古屋グランパスの米本拓司が2021年シーズンに向けて意気込みを語った。今年のキャンプではしっかり「走り込む」ことができたという。攻守両面で働いてチームをより多くの勝利に導き、頂点を目指す。

上写真=キャンプでしっかり走り込んだと話す米本拓司(写真提供◎名古屋グランパス)

できれば前から奪いたい

 キャンプは順調だ。米本は、開幕から逆算してうまく時間を過ごせている。それは何をすべきか頭の中で整理されているからだろう。まずは守備面。リーグ最少失点となった昨季のベースがあるものの、今季はチームとして前から奪いにいく守備にもより積極的にトライしている。

「できれば前でボールを取りたい。取れなかったときにどうするのかを考えながら、相手によっては逆に引き込んで守備をすることで嫌がることもあります。なので一概に全部が全部、前から取りにいきたいとは思っていませんが、なるべく前からの守備でボールを取る。それをこのキャンプでやってきました」

 前線に豊富なタレントを抱える今季は高い位置でボールを奪えれば、ゴールの可能性もおのずと高まっていく。実際、キャンプを通してその手応えをつかんでもいる。ただし、すべての試合で状況を考慮せずに闇雲にハイプレスを仕掛けるわけではない。ブロックの中に引き込んで奪うケースも当然ある。要は、その使い分け。「昨年同様に連戦で前からいけないときはあると思います。(昨季は)それを我慢することによって勝ち点を得られた試合もありました。そういう試合の流れを見ながら、自分たちで話し合いながらゲームをコントロールできればいいと思っています」。ボランチでプレーする米本にはそのハンドリング役も期待されている。

 また、今季、チームは得点力アップも掲げているが、米本も中距離から積極的にゴールを狙いたいと本人はゴールにも積極的だ。攻撃面でも重要な役割があると考えている。

「引いた相手に対して、(長澤)和輝だったり(稲垣)祥だったり僕がミドルシュートを打って、得点することによって相手が前に出てくることがあると思います。やっぱりミドルシュート何本か今年は決めたい。遠い距離から(シュートを)決めることによって、攻撃の幅も広がる」。昨季、引いた相手を攻めあぐねるケースがあったのは事実だ。相手の守備者を引き出すようなプレー、すなわちミドルシュートを打っていきたいという。「ボランチが一番走るポジションだと思うので、切り替えの部分や、穴(スペース)を開けないようにしたい。このキャンプでしっかり走り込んだので、みんなを助けられるように頑張って走りたいと思っています」と、攻守両面での貢献を誓った。

 ダイナミックなプレーは米本の特長だ。新シーズンは試合のたびに、ピッチで攻守に躍動する背番号2の姿を見ることになりそうだ。