名古屋グランパスのエースナンバー「9」は山崎凌吾が背負うことになった。自らに「結果を残すか残さないかでサッカー人生が変わる」という覚悟を叩きつけて、新しいシーズンの一歩を踏み出した。

上写真=練習の一瞬一瞬を大切に過ごす山崎凌吾。勝負のシーズンに遠慮はいらない(写真提供◎名古屋グランパス)

目指すはキャリアハイ

 その背中にエースナンバーが輝く。2021年、山崎凌吾が名古屋グランパスの背番号9を託された。

「今シーズンは今後のキャリアを占うシーズンであると思っています。この番号をつけて、キャリアの中でベストなシーズンにしたいです。背番号9を背負うことによって、よりモチベーションが高くなっています」

 覚悟のシーズンだ。サガン鳥栖、徳島ヴォルティス、湘南ベルマーレでプレーしてきて、名古屋にたどり着いたのは昨年。しかし、主に交代出場でピッチに出ていく役割で、ゴールも一つ。ストライカーとしての自分に不満がある。だからこそ、自ら背水の陣の敷くのだ。

「今年に掛ける思いは本当に強いですし、しっかり結果を残してチームを勝たせられるようにやっていきたいと思っています。ここで結果を残せるか残せないかでサッカー人生が変わるほど、大事な年だと思っています。毎日の練習を大事にしていきたい」

 187センチの長身、ぶれない体幹と粘り腰で、まさしく「そびえ立つ」という表現がぴったり。バラエティーに富んだ攻撃のタレントをずらりと取り揃える名古屋にあって、この高さと強さは山崎だけのものだろう。

 移籍1年目は負傷離脱もあって消化不良。だが今年は、始動から現在の沖縄キャンプまでは快調だ。

「去年はケガしてしまいましたが、今年はここまでケガなく来ています。コンディショはいいので、練習からアピールしていきたい思いでやっています」

 今季は柿谷曜一朗の加入もあって、FWの競争は激化している。しかし、そのパワフルなスタイルは、AFCチャンピオンズリーグで向かってくる各国の武闘派DFを打ち負かすことができる。

 そこにさらに、迫力を加えるのだと誓うのだ。

「(2月3日の大宮アルディージャとの練習試合は)キャンプに入って一発目の試合だったので、やれている部分もありましたけど、最後の精度だったり僕自身も決めるところでゴール前の迫力がまだまだでした。あと3試合あるので、しっかりどんどん積み上げて、いい開幕を迎えられるように準備したいと思います」