名古屋グランパスの大黒柱の一人、中谷進之介は2年連続でJ1フルタイム出場中だ。沖縄キャンプでシーズンを戦い抜く体力アップに勤しんでいる。アジアの戦いも控えているだけに、今季もその冷静なディフェンスでチームを救うはずだ。

上写真=中谷進之介は沖縄キャンプで鍛え抜く。今季も過密日程を乗り切る構えだ(写真提供◎名古屋グランパス)

「それ以上の何かを積み上げていければ」

 中谷進之介は2019年と20年、2シーズン続けて34試合3060分フルタイム出場という素晴らしい記録を達成した。相手FWと激しくせめぎ合うセンターバックというポジションで、退場処分も出場停止もなく試合に出続けるのは立派な快挙だ。

 2020年はしかも、センターバックのパートナーとなった丸山祐市もGKランゲラックも同じく全試合フルタイム出場。最後尾のトライアングルが堅牢な壁になった。

 中谷にとっては「3年連続」に挑むシーズンとなるが、沖縄キャンプではそのための体作りに余念がない。

「キャンプに関しては、体を仕上げるのが一番ですね。昨年は過密日程で疲労はあったので、まずはそこから作り直す意味でのキャンプだと思っています」

 その過密日程、AFCチャンピオンズリーグにも参加する今季も続きそうだ。2月28日のJ1第1節からまずは7連戦、その後3連戦を行ったあとに、ACLのグループステージが4月21日から5月7日にセントラル開催で行われる予定になっている。開催場所は未定だが、いきなりの連戦に備えている。

「シーズンに関しても、昨年を超えるというか、4月のACLまではかなり過密日程になるので、しっかり戦えるようにしたいと思います。もっといいパフォーマンスができると思っていますし、自分自身を高めたいと思います」

 クラブとしてはタイトル獲得へより力を注いで、大型補強を成功させた。センターバックにも経験豊富な木本恭生がセレッソ大阪から入って、過密日程を乗り切る態勢を整えている。

「今年は新しい選手が入りましたし、自分自身もスタメン争いがあると思っています。それに、いろいろな選手と組むことで自分の幅が広がると思います。ずっと丸山選手と組んできましたが、違った選手と組むことで相手の良さを引き出すこともできればいいと思っています」

 プレーの幅を広げて丸山と組む鉄壁をより堅固なものにすること。木本など他の選手と組むことで仲間の新たな可能性を引き出してチームに還元すること。その両方を追い求めることになる。

 2月3日には大宮アルディージャと練習試合を行った。

「まだ1試合目ですし、そこまで内容のところは細かくは言われませんでしたが、今日(4日)の練習では試合の反省点をしっかりやりました。ここからどうやっていくかになると思いますが、昨年の積み重ねというかベースがあるので、それ以上の何かを積み上げていければいいと思っています」

 積み上げた先に見えるのは、もちろんタイトルだ。2013年に柏レイソルの一員としてリーグカップの優勝を経験しているが、出場はなかった。今年こそは、の思いは強い。

「個人として成長させたいというよりは、チームでタイトルを取ることですね。その中で、個人としては何か幅が広がればいいと思っていますし、具体的な何かはないけれど、一つひとつの積み重ねだと思っています。目の前のことをしっかりやり続けて、シーズンが終わったときに『こういうところが成長できたよね』と言えるようになればいいと思っています」

 地に足がついている。一つひとつ、ていねいに。まさに名古屋の最終ラインで相手を確実に止めていくプレースタイルそのものだ。