J1の横浜F・マリノスのアンジェ・ポステコグルー監督が3日、オンラインでキャンプ地から取材に応じた。キャンプのテーマ、そして2021年シーズンに向けて、「チャレンジ」「深める」という言葉を繰り返した。

上写真=1次キャンプでは積み上げてきたサッカーを深め、進化させるポステコグルー監督は説明(写真提供◎横浜F・マリノス)

選手とスタッフが深め合うことも大事

 横浜F・マリノスの1次キャンプは、5日目を迎えた。2018年に就任したアンジェ・ポステコグルー監督にとっては日本で4度目となる新シーズンへの準備となるが、「チャレンジするキャンプになると思っている」と気持ちを引き締める。「自分たちのサッカーをより深めるのに重要な時期」と、チームのさらなる進化を進めているところだ。

 4年目ではあるが、シーズンごとに選手やスタッフの顔ぶれは変わってきた。さらに今年は、例年とは違う面がある。まだ合流できていないスタッフがいるのだ。新型コロナウイルスの感染拡大防止のために緊急事態宣言が出されて以降、新規の入国ができない状態となった。「そうした状況もチャレンジになる」と指揮官は語る。

 監督の指導のスタイルはさまざまだが、ポステコグルー監督は直接の指導は他のスタッフに任せて、トレーニングの最中は全体を俯瞰することを好むタイプ。だが、このキャンプでは、まだ来日できていないスタッフに代わり、自ら指示を出しながら動くこともあるという。そうした柔軟な対応も「チャレンジ」だと指揮官は語るのだ。

 もうひとつ繰り返した言葉がある。冒頭でも語った「深める」だ。

 新体制発表の会見でも話したとおり、選手の負担を減らすべく導入した大胆なローテーションには、「実際には助けにならなかった」と改めて反省の弁を述べた。今季は大幅にメンバーを変えない考えで、その分だけ重要になるのが「深化」だと説く。

「メンバーやシステムを絶対に変えないということはないが、固定ではないものの固めながら自分たちのサッカーをより理解し、深めていく。それをシーズン通してやっていきたい」

 ポステコグルー監督が選手たちへの理解を日々深めてきたのと同様に、選手たちも「ボス」とそのサッカーの理解を進めてきた。

「キャンプは体をつくってシーズンに向けて準備をしなければいけない時期だし、選手とスタッフがより深め合うことが一番大事になると思う。私が監督になってからのプレシーズンを選手たちは数回経験している。どういう内容でやっているか知っていて準備をしてきていると思うので、より深めていくことが大事だと思う」

 2月8日まで、この1次キャンプで必要な要素をチーム一丸となって鍛えていく。