横浜F・マリノスは25日、チーム練習をスタートした。始動日のトレーニングを終え、オンライン取材に応じた喜田拓也は、改めて強い決意を口にした。新シーズンも自分たちが積み上げてきたサッカーを貫く!

上写真=新シーズンも横浜FMのサッカーで結果を出すと話した喜田拓也。写真は昨年10月のもの(写真◎J.LEAGUE)

相手がどこでも僕らはチャレンジャー

 新しい挑戦が始まる。2019年にキャプテンとしてシャーレを掲げた生え抜きは、「皆、良い顔をして集まっていた」と始動したチームに目を細める。「このメンバーでこのサッカーを、このマリノスというチームでできることにすごく喜びを感じています」と、清々しい表情で語った。

 昨季はJ1連覇を狙ったが、9位に終わった。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)ではクラブ初のグループステージ突破を果たしたものの、タイトルには手が届かなかった。「悔しさしかないシーズンだった」と語る喜田は、「去年は去年として置いてきている部分もあるというか、僕たちには前だけを向いて進んでいきたい気持ちがある。今年は今年で結果を残していくという強い気持ちがある。去年の振り返りは、もう終わっているととらえている」と、あくまで視線を前に向ける。

 昨季はタイトルといった結果はついてこなかったが、2018年に就任したアンジェ・ポステコグルー監督の下、攻撃的なスタイルにブレはない。リーグ戦でのチーム総得点も2018年から56得点、68得点、69得点と毎年数字を伸ばしている。指揮官も新体制発表の場で、自分たちにしかできない唯一無二のスタイルを続けると話しており、喜田も「このメンバーでこのチームで、このサッカーをできることに本当に喜びを感じているし、信じて貫き通して結果を出す」と、F・マリノスらしさを貫く意思を繰り返し語った。

 結果を残すには、さらなる進化が求められることになる。具体的な内容については「考え過ぎだと言われるかもしれないけれど、マリノスとしての歩みは始まっているので」とオープンにはしなかったが、「イメージを共有しながら進んでいければ、必ず良いものはつくれると思う。最大限のパワーを出せる準備をしていきたい」とチーム全体でのレベルアップを思い描く。

 ただし、そのために必要な大前提があることは確かだ。チームと勝利のためにすべてをささげる覚悟だ。

「チームが勝つためならすべてをやるというくらいの気持ちを持っていれば、必ず良い方向に向かうと思う。それが一人ひとりではなく全部の力が合わされば、ものすごいパワーを生み出せるチームだと思う。そういうメンバーがそろっているし、それがチームの強みだと思うので、そこは力を合わせて頑張っていければと思います」

 すでに開幕戦の相手は、川崎フロンターレとなることが決まっている。昨シーズンのJ1を圧倒的な強さで制した、隣接するライバルとの神奈川ダービーだ。だが、連覇を逃して「何者でもなくなった」というチームに、無駄な気負いはない。「相手がどこでもチャレンジャー。対戦する全チームに全力でぶつかっていきたい」と、2021年シーズンに突き進んでいく。