横浜F・マリノスは23日、オンラインにて新体制を発表した。昨シーズンはJ1連覇を逃したが、クラブの方針にブレはない。新シーズンもアグレッシブなアタッキングフットボールを展開すると、力強く宣言した。

上写真=前列左から南拓都、エウベル、岩田智輝、樺山諒乃介、後列左からマリノス君、田川知樹、ポステゴグルー監督、平井駿助、マリノスケ(写真提供◎横浜F・マリノス)

より多く点を取り、より走るサッカーを進化させる

 横浜F・マリノスは、アンジェ・ポステコグルー監督の下で4年目のシーズンを迎えた。ポステコグルー体制初年度の2018年はJ1残留争いに巻き込まれながらの12位でのフィニッシュだったが、続く19年シーズンには攻撃的なサッカーが花開き、15年ぶりのリーグ制覇を成し遂げた。連覇を狙う昨季は9位に終わったものの、目指す方向性は変わらない。引き続き、「Brave & Challenging 勇猛果敢」というチームスローガンを掲げて突き進む。

 新体制発表に登壇した小倉勉スポーツダイレクター(SD)は、この日までに新シーズンに向けての他クラブの新体制発表会見を目にしてきたという。他クラブは新シーズンにどんなサッカーを目指すのかをさまざまな形で説明していたというが、小倉SDは「マリノスにはその必要はないと確信しています」と断言。その理由を、こう語った。

「なぜならば、今年も横浜F・マリノスのサッカーは変わらないからです。より多くの点を取り、どのチームよりも走り、見ている人、やっている人も楽しくなるサッカー。このマリノスのサッカーを今年も継続、進化させるためにこのチーム編成になりました」

 前述のとおりに昨季は連覇を逃したが、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)ではクラブ史上初のグループステージ突破を果たした。また、リーグ戦での得点数を見ると、ポステコグルー監督が就任した2018年から56得点、68得点、69得点と、毎年数字を伸ばしている。だからこそ、発表会後の会見でポステコグルー監督も「何も変わることなく、攻撃的なサッカーをやっていく」と信念を口にした。

 指揮官は、「昨年も自分たちの攻撃的なサッカーができたときには結果がついてきた」と語る。一方で浮き沈みがあった理由が過密日程にあったことに触れた。

 昨季は新型コロナウイルスの影響によるリーグ中断で日程がタイトになり、横浜FMに至っては中2、3日での連戦が22試合も続く事態に見舞われた。そうした状況で強度の高いサッカーを展開するのは難しい。試合のたびに大幅に選手を入れ替えたが、「逆に選手には負担となり、連係がとれず、毎試合同じサッカーができないという部分はあった」と振り返った。
 
 その反省を糧として、今季はメンバーをある程度固定して戦うことを考えているとポステコグルー監督は語る。チーム編成も、昨季までのように大きな出入りはなく、補強も新卒選手が中心だ。発表会見の中ではブラジル人FWレオ・セアラの加入が報告されるというサプライズはあったものの、小倉SDは「去年まで活躍した選手が残ってプレーしてくれることも、大きな補強の一つだと考えています」と説明。これまで培ったサッカーと学びをベースに、さらなる進化を求めていく。

「どこに似たサッカーがあるのかというくらい、他チームとは全然違うサッカーをしたいと思っている。自分たちのサッカーを信じてやっていく」とポステコグルー監督。唯一無二のサッカーで、最高の場所へ――。横浜FMが、新シーズンへと向けて船出する。

新加入選手のコメントは、以下のとおり。

FW7 エウベル「横浜FMに来られて、すごく幸せです。このチームで仲間とともにしっかり戦って、良い成績を収めたいと思っています」

FW9 レオ・セアラ(動画メッセージ)「この新たな挑戦にワクワクと幸せを感じています。早くチームに合流してベストを尽くして、チームに貢献したいと思います」

DF24 岩田智輝「大分から出るのは初めてなので、早く横浜の地域やチームに慣れたいと思います」

DF30 平井駿助「特徴である鋭いパスを通したりしての攻撃の組み立て、守備ではカバーリングの早さを見せていきたいと思います」

GK32 田川知樹「チームの勝利に貢献できるように精いっぱい頑張るので、応援よろしくお願いします」

MF35 樺山諒乃介「マリノスのタイトルに獲得へ、芽に見える結果を出して貢献できるように頑張ります。攻撃的なサッカーに絡んで、チャンスやゴールを演出できるように頑張ります」

MF37 南拓都「マリノスのタイトル獲得に向けて、少しでも力になれるように頑張ります」

GK 白坂楓馬(動画メッセージ/鹿児島へ期限付き移籍)「今季は鹿児島でプレーすることになりました。しっかりと信頼を勝ち取ってマリノスに帰れるように頑張りますので、応援のほどよろしくお願いします」

FW ンダウ・ターラ(動画メッセージ/町田へ期限付き移籍)「今季は町田に加入しますが、いち早くチームに溶け込み試合に出て、いっぱい点を取って町田で成長し、マリノスに帰ってこられるように頑張ります」

GK 寺門陸(動画メッセージ/山口へ期限付き移籍)「レノファの選手として過ごす日々のすべてを大切にし成長へとつなげ、マリノスのチームやサポーターの皆さまから必要とされるような戦力として戻ってこられるよう頑張ります」

MF 植田啓太(動画メッセージ/栃木へ期限付き移籍)「この1年間結果にこだわって栃木SCの勝利に貢献できるように頑張ります。別のカテゴリー、チームではありますが、皆さまに少しでも良いニュースを届けられるように頑張ります」