サガン鳥栖は18日、チームの始動日を迎えた。昨季は新型コロナウイルスの影響を受ける中で常に前を向き、チーム一丸となって戦い抜いた。今季もコロナ禍は続く中でのスタートになるが、4チームが降格する厳しいシーズンに向けて、金明輝監督が意気込みを語った。

上写真=初日のトレーニングを終えた金明輝監督(写真提供◎サガン鳥栖)

引き分けを勝利に変えるために

 鳥栖では、15日に所属選手2名が新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受けた。それに伴い、選手8名が濃厚接触者として認定されている。17日に再度PCR検査を行ったところ、8名全員の陰性が確認されたが、濃厚接触者は陰性の場合も2週間の隔離が必要で、当該の陽性者との最終接触日から2週間後に、8選手は順次チーム合流していく予定だ。

 昨シーズンも活動休止を余儀なくされるなど、チームは新型コロナに大きな影響を受けることになったが、18日に始動日を迎えた2021年シーズンも、コロナ禍を実感しながらのスタートになった。

 それでもできることを精一杯に、しっかりとやっていくことには変わりない。2021年初のトレーニングを終えた金明輝監督がコメントを発表した。

「想像していたよりも選手たちのモチベーションが高くて、寒かったですが、それを吹き飛ばすくらいの熱量とやる気に満ちた顔やプレーを見て、本当にたくましく思いましたし、今シーズン強いチームをつくれると感じました」

 昨シーズンをタフに戦い抜いた選手たちへの信頼は厚い。新シーズンへの準備を着々と進めていくと指揮官は強調する。

「基本的には昨年やってきたことを引き続きチームとして目指していく方向は変わらないです。それにプラスアルファで得点力とクロスの対応など守備のところが課題の一つになってくると思います。チームの一体感を大事にしながら、出た課題に対してしっかり取り組んでいきたい。昨年の終盤戦のように自分たちが意図的にチャンスをつくったり再現性のあるプレーをたくさんできたり、守備でもタフにあたり負けしないとか、そういった部分をしっかりと表現できれば自ずと結果はついてくると思っています」

 昨季は13位。成績は7勝15分け12敗だった。引き分け「15」はリーグで一番多い数字だ。とくに10月3日の広島戦から4連敗した後、10月18日の清水戦から最終節の大分戦までの13試合は3勝9分け1敗で戦い抜いた。チームは着実に負けないチームになりつつある一方で、逆の見方をすれば、勝ち切れない面もある。引き分けを勝利に変えていくことが、つまりは勝ち切る力をつけることが、新シーズンの大きな目標だ。

「チーム数が増える中で、当然難しい試合はたくさんあると思いますが、自分は昨年の順位を上回る自信もありますし、ファン・サポーターに勝利を届けるというところを大前提にチーム作りしていきます。昨年同様、見ていて、プレーしていて、みんなの充実感があるような姿をしっかりと今年も表現できればと思っています」

 新シーズンは、J1のチーム数が20チームに増え、4チームがJ2に降格するレギュレーションだ。これまで以上に厳しい戦いが待っているのは明白だろう。ただ、金監督はきっぱり言った。「昨年の順位を上回る自信がある」と。

 チームは鳥栖でのトレーニングを経て、来週から沖縄でキャンイン。「昨年以上」を成し遂げるために、準備を進める。