「リカと呼んでほしいですね」。2021年に浦和レッズの指揮を執ることになったリカルド・ロドリゲス監督が1月17日、オンラインで就任会見に臨んだ。徳島ヴォルティスを率いてJ1に昇格させた手腕を、日本有数のビッグクラブでどう生かすのか。

上写真=気さくに、真摯に質問に答えていったリカルド・ロドリゲス監督。新しい浦和レッズを起動させる(写真◎浦和レッズ)

「2月27日の最初の試合で見せることができるでしょう」

 2017年に徳島ヴォルティスの監督に就任して以来、ボールとともにプレーするスタイルを持ち込んで話題をさらってきたリカルド・ロドリゲス監督。その徳島を2020年にJ2で優勝させ、J1昇格を果たす、最高の置き土産を残して、2021年、さっそうと浦和レッズの指揮官として登場した。

 1月17日のオンライン就任会見では次々に自身の考えをオープンにしていったが、強調したのは「情熱」「攻撃的」「楽しむ」だった。

「浦和レッズではサポーターがものすごく情熱を持っています。自分自身も情熱を持った人間ですから、それがお互いに重なったときに良いものが作れると思います。クラブからコンタクトがあったときにはうれしかったのですが、その理由の一つが熱いファンです。彼らに楽しんでもらえれば、こんなにうれしいことはありません」

 情熱をかけ合わせて最高のクラブへ。「リカと呼んでほしいですね」と気さくに笑う監督は、そのためにはどんな労も惜しまない。

 素晴らしいチームを作るには、すべての人に行き渡るフィロソフィーが大切だ。リカ監督が掲げたのは、シンプルだからこそクリアなもの。

「目標はいい試合をすることです。いい試合というのはファンに楽しんでもらえる試合のことです。楽しんでもらうにはゴールを挙げることで、勝つことだと思っています。私たちはどうサッカーをしたいのか、戦うチームとしてパフォーマンスを高めて、どの試合でも勝つつもりで戦っていきます」

 それは徳島で実践してきた。たくさんのチャンスを作ってゴールを次々に決めていったスタイルを、浦和でさらに高めていくつもりだ。

「攻撃的に相手を押し込んで、常に見てくれる方が楽しめるサッカーを展開していけるように取り組んでいきます。いまから選手たちと臨むプロジェクトが楽しみで仕方ありません。みんなで楽しいサッカーをしながら、成長していければと思います」

 1月18日の始動からどのように新しいチームを築いていくのか。開幕までには1カ月と少ししかない。

「まずはしっかりとサッカーのアイディアやスタイルを確立することです。浦和にはいい選手がたくさんいますが、それがなければ良いサッカーはできません。戦術的なところは理解度があると思うので落とし込めると思います。まずは、走るところ、戦うところが最初になければいいチームにはなれないので、強くするにはそこも大事にして、あらゆる局面で一つ一つ整理していくことで、良いチーム作りができていいプレーにつながります。全員が団結して進むことです。大事にやっていければ、日本で尊敬されるチームになります」

「攻撃的なサッカーのために、毎日のトレーニングを大事にします。試合でどんなことを起こしたいのかということに取り組んで、試合に近い心理状況や戦術やいろいろな局面で起こり得ることにフォーカスしていきます」

 リカ監督自身はJ1のクラブを率いるのは初めてだ。だが、心配はしていない。

「もちろん経験はありませんが、自信はあります。これだけの選手と、いままでやってきたことをやればうまくいくと思っています」

 徳島での成功体験を踏まえて、よりレベルの高い選手たちと取り組めばさらなる成功を収めることができるという確信があるのだ。

「徳島で初めて指揮した年の最初の1試合目で、やりたいサッカーをみんなに見せられたと思います。それから選手が毎年いなくなっても、その年にどういったサッカーをしたいのか見せることができました」

 だからもちろん、浦和でも。

「浦和で指揮を執ることになりましたが、素晴らしい選手がたくさんいますし、攻撃的に戦うことができると考えています。ですから、2月27日の最初の試合で見せることができるでしょう。アイディンティティを持って戦っていければと思っています」

 2月27日の埼玉スタジアム、リカルド・ロドリゲス監督とともに新生レッズが姿を現す。