北海道コンサドーレ札幌は16日、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督と杉浦大輔コーチ兼通訳が現在、療養中であることを発表した。野々村芳和社長と三上大勝GMがオンラインで会見を開き、状況を説明。今後の見通しを語った。

上写真=ペトロヴィッチ監督(左)と杉浦コーチ(写真◎J.LEAGUE)

まずはしっかり治してもらうことが大事(三上GM)

 オンライン会見で三上GMが、ペトロヴィッチ監督の状況を改めて説明した。

「現地時間で1月2日、自宅から外出した際に転倒し、骨折をしたと聞いています。日本時間では1月3日でした。コロナの問題で、奥様も当初は病院に行けなかったようですが、1月4日に手術を終えました。現在は退院し、自宅で静養しています」

 診断は左足大腿部の骨折だが、術後、5週間は「自分の体重をかけないでください」と言われているという。しばらくは松葉杖をつきながらの日常生活となる。

「術後5週間ということなので、早ければ2月7日、8日くらいということになり、監督自身も1日でも早くということを言っています。ただクラブサイドとしては有難いことですが、まずはそれよりも、しっかり治してもらいたいと思っています」

 今後の見通しとしては、術後3週間となる来週末に改めて診断を受け、骨の付き具合や、長時間のフライトに問題はないかなどをしっかり考え、本人と家族と話し合った上で合流日を決定するという。2月上旬に来日することになっても、現状のままでは新型コロナウイルス感染症による入国制限があるため、14日間の隔離が必要。チームに合流できるのは、早くとも2月20日前後となる。順調に進んだとしても合流は2月27日の開幕直前だ。

 三上GMは「監督が考えるサッカーのスタイルというのは、われわれスタッフと共有されていますので、それを踏まえてトレーニングをしっかりやっていきます。トレーニング内容やメンバー構成などは、開幕から逆算した中で監督の考えを確認しながらやっていきたい」と話した。その一方で、仮に監督がいない状況で開幕を迎えることになっても「しっかりと戦っていこうと選手とスタッフで確認している。2月20日前後に監督が合流できたら喜ばしいこと。ただ開幕から数試合いないという前提の中でも話しています」と現状の認識について説明した。

 野々村社長も、チームとして前向きに進んでいくと強調した。

「新しい選手については直接、ミシャさん(ペトロヴィッチ監督)の言葉でコンサドーレのサッカーを理解する機会が失われたということでは少しマイナス面があるかもしれないですが、ここは今までやってきた選手、四方田(修平コーチ)を中心としたスタッフでそれを伝えながら、むしろ、ミシャさんが落とし込んでくれたものからさらにプラスの変化を見せるくらいのつもりでやってくれればいいと思っています。それも四方田一人というよりも、クラブ全員、選手も含めてみんなでサッカーを作り上げてくれればいい」

「三上は三上でコーチングスタッフ、強化部として四方田と話をしたと思います。僕はそこには同席していませんが、個人的に話をしました。ミシャさんだったらどうするかと、四方田は考えると思うんですが、瞬間的な判断とか、どちらにするかという選択は、四方田が思った通りやればいいという話を個人的にしています」

 ピンチをチャンスに。指揮官の不在期間を大きくジャンプするための期間にするべく、チームで取り組んでいくと話した。

 なお、今回の会見では、11日に手術した杉浦大輔コーチの状況についても三上GMから説明があった。

「昨年末にクラブの健康診断を受けているのですが、甲状腺に異常があるということが分かりました。コロナ問題で、すぐに手術に対応で病院を探すのが難しい状況でしたが、甲状腺がんというのが比較的進行が遅く、また転移することもあまりないと主治医に言われたことで、終盤を戦いながら同時並行で病院を(杉浦コーチと)一緒に探していきました。1月11日に手術を終え、現在は手術した病院に入院しています。来週の火曜日に退院予定で、その後1週間から10日は安静期間となります。2月6日、7日あたりにすべての治療を終えて、チームに合流できるのかなという予定になっています」

 ペトロヴィッチ監督、杉浦コーチに「明るいニュースを届けられるように、しっかりやっていこうと選手にも話しました」と三上GM。チームは18日から沖縄でキャンプイン。開幕に向けて、準備を進めていく。