北海道コンサドーレ札幌は16日、オンライン上で新加入会見を行なった。登場したのは、小野伸二、大谷幸輝、青木亮太、岡村大八、柳貴博の5選手。ここでは、2021年シーズンにかける五者五様の意気込みをお伝えする。

上写真=新加入会見の最後に登場した小野伸二(写真◎2021 CONSADOLE)

「錆びていないと思われるように」(小野伸二)

 政府の入国制限により、まだ来日できないガブリエルを除く5名の新加入選手が、この日、順番にオンライン会見に臨んだ。最初に登場したのは、FC東京から完全移籍で加入したDF柳貴博。昨季は仙台に期限付き移籍していた。

「対人の強さが特長です。攻撃でも守備でも絶対に負けないという自信がありますし、そういうところをどんどん発揮していきたいと思っています」

 18日から始まる沖縄キャンプで、その持ち味をしっかり出したいと話した。ミシャ・サッカーについては「すごく攻撃的なサッカーをするという印象は強くて、その中でやっぱり自分も得点だったり、アシストという目に見える形を出していきたい。攻撃はもちろんですが、守備の面では札幌も課題を持っているとは思うので、そういうところも意識しながらやっていきたい」と意気込んだ。

 2番目は、大谷幸輝。新潟から完全移籍で加わったGKである。ペトロヴィッチ監督とは浦和時代に4シーズンをともに過ごした経験を持つ。

「チームの力になれるように頑張ります。キーパーもボール回しに参加する、見ていて楽しいサッカーをしている印象がありますが、ボールに関わるというプレーは僕自身、好きなので。前にミシャさんとやらせてもらっていたときも、やっていたので、ビルドアップの部分でしっかり関われるというところを見せたいと思いますし、キーパーなのでシュートを止める部分もしっかり見せられれば」

 勝手知ったる指揮官のもとで、自身の力を発揮すると誓った。

 3番目に会見に臨んだのは、群馬から完全移籍で加入したDF岡村大八だ。

「チームの目標であるACL出場に少しでも貢献できるように頑張りたいと思います。三上GMから札幌のビジョンを直接、説明していただいて共感しました。それにミシャさんのもとでプレーしたいと思いました」

 指揮官はオーストリア帰国中の今月2日に左大腿骨を骨折し、最低でも5週間は体重を足にかけられない状態だという。現在日本は入国時に2週間の隔離制限があり、順調にケガが回復したとしても現状の制限のままなら来日は早くて2月20日以降になりそうだが、岡村は指揮官のもとでプレーすることを心待ちにしつつ、キャンプから全力を尽くすことになる。

「自分は1対1には自信があるので、そこは見せていきたいと思いますし、守備の部分では高いものを出せると思っています。攻撃の部分もミシャさんのもとで成長していければ。(キム・)ミンテさんと(田中)駿汰は自分の中ですごく意識しています。ポジション的にかぶる部分がありますし、すごく特長のある選手。その特長に負けないくらい自分の特長を発揮してスタメンを奪っていきたい」と加入初年度から積極的に定位置争いに挑んでいくつもりだ。

 4番手として会見に臨んだのが、名古屋から完全移籍で札幌の一員になった青木亮太だ。昨季は大宮に期限付き移籍していた。

「早くチームに慣れて、1日でも早く力になれるように頑張っていきたいと思います。攻撃の部分はキャンプを通じてアピールしていきたい。札幌は攻撃的なチームですし、足元の技術の高い選手がそろっている。連係がうまく取れたら良い攻撃ができると思っています」

 札幌の攻撃と自身のプレーをイメージし、チームの勝利に貢献したいと話した。

「得点に絡むプレーは常に意識してやっていきたいし、個人技術の高い選手もたくさんいるので、そこは負けないようにやらないといけないと思っています」

 競争に勝ってポジションをつかみたいと語った。

 会見の最後に登場したのは、1年半ぶりに札幌に帰ってきた小野伸二だった。

「素晴らしい環境の中でサッカーがしたい、それだけです。一度、外に出てみてあらためて素晴らしい環境、クラブだと感じました。(札幌は)若いチームでもあると思うので、自分が持っている考え方とか、そういうものも少しでも伝えられれば。特別なことはとくにないですが、1日1日、無駄にせず、やっていければいいかなと思います」

 41歳で迎える新シーズンに向けては「簡単に試合を出られる状況ではないと思いますが、競い合って、そういう環境を自分で作れるようにやっていきたい」と意欲を燃やす。

「錆びていないなと思われるように、しっかり頑張っていきたいと思います」

 札幌が目標に掲げるACL出場を実現するために、小野はその技術と経験、自身の持てるものすべてを新シーズンの戦いに注ぐ覚悟を示した。