JリーグYBCルヴァンカップ決勝が1月4日に行われ、柏レイソルは1-2で敗れた。先制されながら一度は同点に追いつくゴールを決めたのが瀬川祐輔。攻撃面で悔やまれるポイントを3つ、口にして、「来年も同じ舞台に立ちたい」と誓った。

上写真=前半終了間際の45分、瀬川祐輔が同点ゴールを決めた(写真◎小山真司)

■2021年1月4日 JリーグYBCルヴァンカップ決勝(@国立競技場/観衆24,219人)
柏 1-2 FC東京
得点:(柏)瀬川祐輔
   (F)レアンドロ、アダイウトン

「後ろ重視になりすぎて…」

 倒れ込みながら伸ばした右足で、夢中でボールを蹴り込んだ。前半終了間際の45分、柏レイソルが瀬川祐輔のゴールで同点に追いついた。

 カップファイナルならではのやや堅めの入りから、一進一退の攻防へと進む中、FC東京に16分に先制されてしまった。しかし、そこからようやくリラックスしたように、柏が攻めていく。瀬川は左サイドハーフとしていつものようにサイドを破りながら、ゴール前にも顔を出す神出鬼没のプレーぶりだった。

 そうして生まれた同点弾。左からのクリスティアーノのCKをオルンガが触り、GK波多野豪が弾き出そうと触ったボールがバーに当たって跳ね返って、瀬川の足元にこぼれてきた。相手と競り合いながら倒れるが、なんとか右足で触った。

「率直に、個人として準決勝まで試合に出たのは2回ぐらいで、それ以外はケガで離脱していたので他の選手が頑張って決勝のキップを勝ち取ってくれたにもかかわらず、スタメンで出て負けてしまったのは悔しい気持ちでいっぱいです」

 開口一番、ここまで連れてきてくれた仲間への感謝が口を突く。新型コロナウイルスの影響でこの決勝が延期となり、ピッチに立つ栄誉を手にしたが、勝てなかった。攻撃で3つの後悔がある。

「今日はシンプルな攻撃が多すぎた印象で、FC東京さんの守備が堅いのは今日もやっていて感じましたし、中を閉じて外に追いやる守備の仕方をしていたので、右から左、左から右へと揺さぶってから、ミカ(オルンガ)の周りにスペースを作ってボールを入れられたりしたら、もっと効果的な攻撃ができたと思います」

 4-2-3-1のフォーメーションで「3」のクリスティアーノ、江坂任、瀬川、そして「1」のオルンガの攻撃力は柏の自慢だった。しかし、その能力を生かす攻撃ができなかったことを悔やんだ。もう一つのストロングポイントはカウンター。こちらも不発だった。

「後ろ重視になりすぎて、カウンターも決まりにくかったと思います。オルンガと任くんの2人しかカウンターに関われなくて、そこはストロングでもあるので、もっと前にポジションを取るべきだったと思います」

 そして、好リズムの時間に仕留められなかったこと。後半の開始から攻撃の圧力が高まったが、決められなかった。

「(ハーフタイムに)監督からは、僕に対してはもっと仕掛けろという指示でした。それ以外にも、もっとボールを動かせという指示をいただきましたし、後半の頭からいいリズムで攻撃できたので、あそこでたたみかけないといけなかったかなと思います。ゴール前までは行けていましたけど、シュートまでは行けていなかったので、もっと決定機を作るという共有する部分、意識する部分を持てれば、ゴール前に人数をかけられたと思いましたし、悔やむべきところの一つかなと思います」

 結局、78分にお役御免。

「この決勝の舞台を味わったからには、来年も同じ舞台に立ちたいと思います。また総力戦になると思うので、タイトルを取りたいという気持ちがさらに強くなりました」

 波乱のシーズンは、ようやく終わった。だが、新シーズンはまたすぐ始まる。瀬川は悔しい敗戦の直後にもう、次の勝負を見据えていた。