1月4日、JリーグYBCルヴァンカップ決勝が東京・国立競技場で開催された。柏レイソルとFC東京の対戦は、FC東京が先制するも前半のうちに柏が追いつき後半に突入。終盤、2人を同時投入して攻撃姿勢を強めたFC東京が勝ち越しに成功し、柏を下して11年ぶりに聖杯を掲げた。

上写真=2020年シーズンを優勝で締めくくったFC東京。国立競技場で凱歌をあげた(写真◎J.LEAGUE)

■2021年1月4日 JリーグYBCルヴァンカップ決勝(@国立競技場/観衆24,219人)
柏 1-2 FC東京
得点:(柏)瀬川祐輔
   (F)レアンドロ、アダイウトン

機を見るに敏の2人同時投入

 戦前、FC東京の長谷川監督は、CFオルンガ、右サイドハーフのクリスティアーノ、トップ下の江坂という柏が誇るホットラインを断つことが試合のポイントと語っていた。決勝の舞台で採用したのは4-3-3だが、中盤の底に森重、その背後の2CBに渡辺とジョアン・オマリを並べる。大型FWを封じ込めるためにACLの上海申花や蔚山現代戦から採用した形だ。狙いは見事に当たり、前半のFC東京の守備は安定する。オルンガに決定的な仕事させず、江坂とクリスティアーノからの供給に制限をかける。自然、ゲームのペースをつかむことになった。

 16分、守備の安定がチャンスを生む。柏のCB山下のロングフィードを左サイドバックの小川がヘッドでクリア。そのボールを左サイドでレアンドロが拾うと、そのまま独走し、ボックス左から仕掛ける。柏の2CBをかわして、侵攻を阻みに来た大谷もかわして右足を一戦。電光石火のカウンターとレアンドロの個人技でFC東京が先制した。

 その後も、攻めざるを得なくなった相手に対し、FC東京はカウンターを繰り出して、好機を生んでいく。セカンドボールも拾って波状攻撃を仕掛ける時間もあった。まさしく狙い通りの展開で試合を進めたが、前半終了間際に柏にミスがらみで決められる。45分、左CKの場面でクリスティアーノが蹴ったボールをオルンガが囲まれながらもヘッド。高く上がったボールに対してGK波多野が反応するが、混戦の中で大谷に体を当てられて高くジャンプすることができず、クロスバーの外にボールをかき出すことができなかった。結果、ボールはゴール前にこぼれ、瀬川が右足で蹴り込まれた。

 ファウルの判定はなく、FC東京にとっては悔やまれる失点。一方の柏にとって後半に弾みのつく得点になった。

 1-1で迎えた後半、序盤からペースを握ったのは柏だった。FC東京を押し込み、サイド攻撃を仕掛けていく。ボックス外から放った大南のボレーや大谷のミドルなど、アタッカーではない選手も積極的にゴールを狙っていく。ただゴールは生まれず、次第にFC東京が攻撃の形を作り始めた。

 そして、67分。FC東京のベンチが先に動く。東に代えてアダイウトン、原に代えて三田を投入。2枚同時替えでスコアを動かしにかかった。ゴールが生まれたのはその7分後のこと。オマリが前線へ送ったロングボールは一度はクリアされるが、こぼれ球を永井がヘッドでつなぎ、相手DFより先に反応したアダイウトンが左足のつま先でプッシュ。見事にネットを揺らした。

 まさに機を見るに敏。流れを逃さず、加速させたFC東京の選手交代が奏功した。対する柏も、78分に神谷、呉屋、三原の3人を同時にピッチに送って攻めに出るが、同点に追いつくことはできず。追いかけるための交代と勝ち越すための交代の差が、図らずも結果に反映することになった。FC東京が2-1で柏を下し、ルヴァンカップ優勝を成し遂げた。

「こういう状況の中で、本当にたくさんのサポーターが駆けつけてくださった。そして応援して下さったことに関して、感謝を申し上げたい。選手たちはそういうサポーターの思い、気持ちに応えようと、90分間、ベストを尽くしてくれました。サポーターに少しでも恩返しができたんじゃないかなと思いますし、このルヴァンカップが第一歩だと思っています。来シーズン、さらなるタイトル獲得を目指していきたい。
 まず、タイトルを取らないとタイトルは集まってこない。お金(を使うこと)と一緒だと思います。タイトルを取るまでは非常に大変だと思いますが、取ることによって他のタイトルが近寄ってくる。なのでまず一つ、何でもいいから三大タイトルの一つを取りたいと思っていました。(清水での)選手時代にも、ガンバ(大阪の監督の)時も一番最初に取れたのは、ルヴァンカップ(ナビスコカップ)でしたので、縁があるんだなと」

 FC東京が常勝軍団を道を歩き出すために、タイトル獲得が重要だと語っていた長谷川監督は試合後、改めてこの優勝の意義を語った。選手たちはもちろん、クラブにとっても、大きな一歩になるに違いない歓喜の優勝で、FC東京は激動のシーズンを締めくくった。

現地取材◎佐藤 景 写真◎J.LEAGUE