柏レイソルは1月4日、FC東京とルヴァンカップ決勝を戦う。さまざまな経験をすることになったシーズン最後のゲームを控え、前日会見に臨んだネルシーニョ監督が大一番を制するポイントとタイトル獲得への意気込みを語った。

上写真=ネルシーニョ監督は決勝も普段通りに戦うと語った(写真◎J.LEAGUE)

自信をもって最後まで戦い抜く

「選手とも練習に入る前に少し話したんですが、生まれ変わったこの新しい国立競技場で決勝戦を迎えられることは、本当にわれわれにとって素晴らしいこと。選手も非常にモチベーション高く最後の調整を行なってくれたと思っています」

 国立競技場で行なわれた前日練習を終えて取材に応じたネルシーニョ監督は、決勝戦を戦える幸福を噛みしめていた。そして、J1のリーグ戦を終えてからのこの2週間で、ルヴァンカップ決勝へ向けて充実のトレーニングができたと語った。

「年はまたぎましたけども、タイトルを獲ってシーズンを終われる恵まれた機会を得た。われわれは2週間の準備期間を経て、ここまで順調に仕上がっています。相手のFC東京は非常クオリティーがあって、経験値の高い選手がそろっていますが、ただ、われわれもここまで良い準備ができているという意味で、ベストで迎えることができると思っています。明日は、両チームともクオリティーの高いチームですので、非常に見ごたえのある試合になると思います」

 見ごたえのある試合を制するために重要なものとは何か。指揮官は「特別」である必要はなく「普段通り」であることが重要だと繰り返した。

「昨日もクラブでのトレーニングに入る前に選手に問題提起をしました。『決勝戦で一発勝負だからといって、これまでわれわれがシーズンを通して戦ってきた試合と何か違いがあるのか』と。結論を言えば『何もやることは変わらない』ということです。これまでの戦う姿勢を変えるべきではないし、変える必要もない。チームとしての調和を維持しながら。個々が献身的に最後まで戦うこと。明日のゲームはどちらに勝利が転んでもおかしくない、非常に拮抗したゲームになると思いますが、われわれとしては自信をもって最後まで戦い抜くだけ。FC東京が非常にクオリティーの高い、組織的なチームで、われわれを警戒してくるでしょう。ただ、これまでシーズンを通して戦ってきた姿勢を貫くだけです」

 これまでタイトルのかかった勝負を何度も制している百戦錬磨の指揮官だ。自身の経験から、そしてチームの仕上がりに対する自信から、積み上げてきたものを出すことこそがタイトル獲得への最善の道だと知る。

 チーム内でクラスターが起こり、11月7日に開催されるはずだった決勝戦は延期されることになった。「非常に厳しい時間を過ごしましたが、医療従事者の手厚いサポートのおかげでウイルスとの戦いをしっかりと克服することができました。選手、スタッフの健康状態というのは非常にいいですし、良い準備ができました」と、ネルシーニョ監督は今こうして万全な状態で試合に臨めることに心から感謝する。

 いくつもの困難を乗り越えてたどり着いたファイナル。ネルシーニョレイソルは、2020年シーズンに積み上げてきたものすべてを出して戦う。