天皇杯JFA第100回全日本サッカー選手権大会が2021年1月1日に行われ、ガンバ大阪は川崎フロンターレの猛攻に耐えながらも最小失点で敗れて準優勝に。何度もファインセーブを見せて際どいところで守った東口順昭の述懐。

上写真=最後まで集中力を高めて守った東口順昭だが、1点に泣いた(写真◎小山真司)

「2位では意味がないというところを実感した」

 めちゃくちゃ怖かったですよ。

 川崎フロンターレの攻撃について、東口順昭は本音を明かした。キックオフから攻め立てる川崎Fに対して、前半は全員でしっかりと守って無失点でしのぎきった。決定的なピンチがありながら、守護神としてゴールは割らせなかった。

「いい流れだと思いました。今季の自分たちの戦いを見ても前半で失点すると難しくなりますし、特に川崎には前半は0-0を目指していたので、自分たちの流れかなと思っていました」

 しかし、後半に入ってわずか10分で失点してしまう。

「0-0で長いこといけたらいいですけど、あれだけ受けてしまったら失点してしまうし、前半にしてもおかしくなかったと思います。うちは後半15分から20分ぐらいは耐えてカウンターというところしかなかったので、あれが自分たちのいまの実力で、川崎が上回ったということです。真摯に受け止めて来年は盛り返せるサッカーをしたいと思います」

 失点はわずか1だった。しかし、その攻撃力をまざまざと見せつけられた事実が横たわる。

「めちゃくちゃ怖かったですよ。リーグで最多得点を取っているだけあるし、フィニッシュ(の質)は高いものがあるので。何とか体を張って前半を守り切るという気持ちで乗り切れましたけど」

 だから、負けた、だけで終わらせたくない。

「(川崎Fの攻撃のレベルは)すごい高いと思いますし、あれを抑えるのはなかなか高い集中力と強度が90分必要です。でも、1失点目以外は我慢できていたので、あとちょっとだなという思いもあります」

「相手のボックスでの迫力や人数の手厚さだったり、そういうところは改善しなければいけないと思います。そのために、後ろからうまいことつないでいかないといけないので、チーム全体で攻撃に対してのとらえ方は来シーズン取り組まなければいけない課題です」

 終盤にゴールに迫っていったものの、1点が遠かった。チームとしての攻撃のあり方について、改めて考えさせられる90分になったという。

「2位では意味がないというところをみんな実感したと思うし、あと一歩の差は大きいとは思うので、日々の練習で詰めていければ。2021年のシーズンのモチベーションにできればいいと思います」