浦和レッズはJ1リーグ最終戦でホームに北海道コンサドーレ札幌を迎えた。だが、有終の美を飾ることができず、0-2で完敗。この試合でJ1通算250試合出場を果たした武藤雄樹は悔しさを糧にすると誓った。

上写真=負傷した興梠に代わり前半30分から出場した武藤雄樹(写真◎J.LEAGUE)

来季は躍動する姿を見せたい

 負傷退場した興梠慎三に代わり、30分から急きょ出場。浦和レッズの武藤雄樹は急いで準備を整えて、ピッチへ入った。シャドーとして前線でパスを引き出すために、労を惜しまずに動き回った。中盤で思うような形をつくれず、縦パスはほとんど入ってこない。それでも、守備に奔走して、できることを全力でこなした。

「自分の良さを出したかったのですが、残念な結果になりました」
 ホームで迎えた最終戦は0-2の惨敗。3連敗で2020年シーズンの幕を閉じた。コロナ禍のなかでも2万人近い観客が詰めかけた埼玉スタジアムには重たい空気が流れていた。武藤は熱心なファン・サポーターの気持ちを慮った。

「期待に応えるような結果を出せなかったです。情けなかった」

 苦い思いをしながらも、12月19日の札幌戦でJ1通算250試合出場を達成。層の厚い浦和でピッチに立ち続けたことには価値がある。本人も記録について聞かれると、頬を少しだけ緩めた。

「試合に出続けるのはうれしい。10年で積み上げてきた成果です。支えてくれているファン・サポーター、クラブスタッフ、チームメイト、みんなに感謝したいです」

 それでも、すぐに気を引き締めていた。浦和にはJ1通算577試合の阿部勇樹を筆頭に百戦錬磨のベテランたちがそろっている。「250」の節目もかすんでしまうという。

「うちにはすごい数字の人がたくさんいるので……。250でなにか、という感じですかね」

 苦しかったシーズンを終えて、反省すべき点は反省し、前を向いて進んでいくことを誓う。

「来季はもっともっと躍動している姿を見せたい。結果が出ないなかでも、9番のユニフォームを掲げてくれる人たちがいます。そんな人たちのためにも頑張らないと。監督が代わり、サッカーも変わります。求められることをこなしたい」

取材◎杉園昌之