北海道コンサドーレ札幌の田中駿汰は12月19日の浦和レッズ戦で今季2点目を決め、ルーキーイヤーを締めくくった。主力のセンターバックとして活躍してきたが、本人のシーズン総括は厳しいものだった。

上写真=最終節で今季2点目を記録した田中駿汰(写真◎J.LEAGUE)

歯がゆいシーズンだった

 技ありのゴールで飛躍のルーキーイヤーを締めくくった。1-0で迎えた85分、コンサドーレ札幌の田中駿汰はゴール前でパスを受けると、自信を持って右足を振り抜いた。コントロールされたキックは、まっすぐゴール右隅へ。狙いすました一発には、名手の西川周作も対応できなかった。3バックの一角に入っているセンターバックとは思えぬシュート精度である。ゴールの匂いまでかぎつけていたという。

「コーナーキックの流れだったので、後ろに戻るかどうか迷いましたが、残っていたら、ボールがくるかなと思ったんです。そうしたら、フク(福森晃斗)さんからパスがきた。ロペ(アンデルソン・ロペス)もスルーしてくれました」

 7月18日のベガルタ仙台戦以来となる2点目。ただ、シーズンを通したゴール数としては納得できなかった。1年を振り返ると、セットプレーなどでチャンスを逃したシーンが頭に浮かぶ。

「2点ではちょっと少ないですね」

 今季は大阪体育大から加入し、センターバック、ボランチなどで31試合に出場。主力として26試合で先発に名を連ねており、堂々たるプレーを披露した。大卒1年目としては上出来の数字ではあるが、本人はもどかしさを抱えている。

「多くの試合に出ましたが、チームの結果(12位)がついてきませでした。歯がゆいシーズンでした。いろいろなポジションで経験値を積めたので、来季に生かしたい。もっとタフに戦える選手にならないといけないと思います。来季はチームの中心になれるようにやっていきたい」

 2021年は東京五輪イヤー。代表候補の一人としても注目されている。プロ2年目となる来季は札幌を引っ張るような存在となり、さらに飛躍していくことを誓っていた。

取材◎杉園昌之